Column

3年生座談会 大船渡東高等学校(岩手)「完全燃焼したと断言できる夏だった」【後編】

2017.11.27

【前編】3年生座談会 大船渡東高等学校(岩手)「学校の歴史を塗り替える偉業を達成した選手たち」

 この夏、初の4強入りを果たした大船渡東。春では東北大会に出場するなど、春、夏通して躍進を見せた大会だった。前編ではベスト4のメンバーだった選手たちに当時を振り返っていただいたが、後編では東北大会の経験や夏の大会を振り返ってもらう。

【座談会参加メンバー】
野々村 和樹主将(3年)
岩城 大夢投手(3年)
志田 芳樹外野手(3年)
菅野 洸内野手(2年)

プラスになった東北大会の経験 周囲の変化

3年生座談会 大船渡東高等学校(岩手)「完全燃焼したと断言できる夏だった」【後編】 | 高校野球ドットコム

志田 芳樹(大船渡東)

――東北大会の経験はどうですか?

岩城:一番、でかいよね。

志田:すげ〜と思った。[stadium]仙台市民球場[/stadium]に入って。

岩城:スタンドも高かった。公式練習で緊張したけど、本番はあまり緊張しなかった(笑)。他の学校の選手を見て、でかいなと思った。

野々村:『でっけ〜』って言っていたね。なんで、俺らいるんだろう?って(笑)。

岩城:(体の)サイズが違ったね。県大会で3位になって、俺ら結構、強いのかもと思ったけど、東北大会になるとやっぱりレベルが違った。仙台育英聖光学院の試合を見て、全く、レベルが違うと感じた。

野々村:凄かったね。まず、打球が違った。

岩城:個々の能力も試合の運び方も違った。鳥肌が立ちっぱなし。

志田:俺は試合で打てて良かった。緊張よりも楽しかった。

菅野:自分は緊張しました。でも、タイムリーを打てて良かったです。

――春の快進撃で周りの反応はどうでしたか?

志田:勝っていく中で、いろんな人から『頑張っているな』って言われたよね。今まで関わったことがない人も言ってくれて、自信になった。応援されているなと感じた。

野々村:地域の人、顔見知り程度の人からも『野球、頑張って』と急に言われるようになって嬉しかったね。

志田:練習前にコンビニに寄ると、お客さんの『頑張っているよな』という会話が聞こえて嬉しいなと思った。

[page_break:夏は全員が甲子園出場が目標となった]

夏は全員が甲子園出場が目標となった

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菅野 洸(大船渡東)

――東北大会を経験し、夏はどんな目標を持っていた?

全員:甲子園!

岩城:あと、あれ。ショー。お披露目する場面だから、と。

志田:みんなにいいところを見せよう、と。

岩城:眞下監督からミーティングで『お披露目会だ』って言われて。

志田:なんだかんだ言って、初戦(の一関二)が辛かった。いろんなプレッシャーがあった。

岩城:(6対4で競り勝ち)俺は試合中、走馬灯のようにいろんなことを思い出して、もう引退か〜って思った。この試合、負けても泣かないなって思った。

野々村:秋は県大会準々決勝で盛岡大附に俺のエラーで負けたからね(1対5)。いけると思って、打球に手を伸ばしたらグローブの先に当たって、それで点数が入った。そこから流れが悪くなった。夏も初戦でエラーして、申し訳ないなと思った。

岩城:あった、あった。

野々村:一関二に)負けたと思った。

志田:(野々村が9回の)先頭バッターだった。

岩城:四球で出て。

菅野:自分が送りました。

志田:(佐藤)啓太がライト前に同点タイムリー。

菅野:その後、(山崎)秀太さんがツーベースを打って、それが決勝打になりました。

野々村:四球で出た瞬間に勝ったと思った。

志田:泣きそうだったじゃん(笑)。バッターボックスに入る前に(笑)。

野々村:鳥肌立ったね。

岩城:同点になった時、ベンチで結構、みんな泣いていたよね。

志田:バリバリ、泣いていたね。

野々村:ひっくり返した時、甲子園に行けると思った。結局は負けたけど、このメンバーなら行けると思った。

菅野:先輩たち、めっちゃ強いなと思いました。

[page_break:夏は燃え尽きたと実感できる戦いができた]

夏は燃え尽きたと実感できる戦いができた

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座談会参加メンバー

――苦しい初戦を乗り越えて、高田、花巻北、宮古に勝利。春と同じく準決勝で久慈と対戦しました。

野々村:結局、俺が2個、エラーしたからね。

志田:暑かったっけ?

岩城:すごく嫌な暑さだった。ちょっと緩んでいるのがわかった。

野々村:集中力がなかったね。

岩城:久慈が要所で打った。

志田:久慈の)応援も嫌だった。音が大きいし。

岩城:人も多いし。でも、負ける気はしなかったんだけどな。8、9回が1アウト満塁で点が入らなかったけど、めっちゃ興奮した。

菅野:最後、啓太さんの打球、スタンドに入ったと思いました。

岩城:逆風だったね。そんなに勝たせたくないのか、俺らのことって思った。

野々村:終わった時はやりきった感じがあった。

岩城:燃え尽きた。2年生の方が泣いていたよな。

志田野々村:うん。

菅野:自分、めっちゃ泣きました。

岩城:3年生は控え室を出るあたりで落ち着いてきたけど、2年生はずっと泣いていた。

菅野:ずっと先輩たちと野球をしたかったなと思いました。

学校の歴史を塗り替えることができて良かった

――3年生は3年間を振り返ってみてどうでしょう。2年生は来シーズンに向けて。

岩城:俺は、入学した時から同じ代のメンバーが好きで、みんな仲が良くて、野球をしていて楽しかった。勝てば、それは楽しいけど、一緒に野球をやれていること自体が楽しかった。野球人生の中では一番、楽しい3年間で思い出に残る。自分なりに苦労とかもあったけど、このメンバーでよかった。

志田:俺は高校で陸上をやる気満々で、野球をやろうと思っていなかった。実際にやってみて、やっぱり、やりたくないと思ったこともあったけど(笑)、試合になれば楽しかった。嫌だなと思っている時間よりも楽しいなと思う時間の方が多くなった。(春夏)ベスト4とか、学校の歴史を塗り替えることもできた。野球をやってよかった。

野々村:小学校からやってきたメンバーもいて、10年、一緒に野球をやってきてよかったなと思う。高校に入って、仲良くなれないと思ったやつらとも仲良くなれた(笑)。野球を楽しくできてよかった。

菅野:自分たちは、秋は勝てなかったんですけど、来春の大会では先輩たちと同じところ、そして上に行けるように練習したいです。

志田:頑張ってください!(笑)

――最後に後輩たちへメッセージをお願いします。

3年生:県大会は出てほしいですね。

野々村:今のままじゃ勝てません(笑)。

岩城:確かに(笑)。

野々村:可能性はゼロじゃないので、パーセンテージを上げてほしい。期待しています。

(取材・高橋 昌江

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【僕らの熱い夏2017 特設ページ】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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