第1回 ユニフォームに込めた思いと因縁……豊橋南と三谷水産2016年09月12日

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■ユニフォームに込めた思いと因縁……豊橋南と三谷水産

豊橋南のユニフォーム

 高校野球のユニフォームには、1つ1つ物語がある。意外に知られていない、そんな全国各地のチームのユニフォームにまつわるストーリーをこれからお届けしていきたい。まず第1回目は、この夏の初戦で対戦した豊橋南三谷水産のユニフォームのお話だ。

 全国でも数少ない水産高校の一つに愛知県の三谷水産がある。高校野球で水産高校といえば、ほとんどの人はかつて1990年91年と連続して夏の甲子園で準優勝を果たした沖縄水産を思い出すであろう。そのユニフォームは胸文字が漢字2文字で「沖水」と書かれたものだった。その「沖水」に酷似した胸文字で「三水」と書かれているのが三谷水産のユニフォームである。高校野球が好きな人や、ちょっと詳しい人であれば、誰しもが「沖縄水産に似せて作ったな…」と思うであろうが、その通りだった。

 この夏の初戦、三谷水産が対戦したのは、豊橋南だったが、豊橋南の藤代 賢監督は前任校が三谷水産だった。しかも、実はその当時に、ユニフォームを沖縄水産デザインのものに変更した、その人でもあるのだ。「あのユニォームを相手ベンチとして見て試合をするというのはまた、特別な思いがありましたよ」と感慨深げだった。

 試合そのものは、豊橋南が大勝した。三谷水産は遠洋航海など、実習授業も多く、部員揃っての練習がなかなかできないという相手校の環境である。そのことも十分に承知しているだけに、試合後は三谷水産をねぎらっていた。

 ところで、その豊橋南のユニフォームも、何となくどこかで目にしたような気がするな…という印象だったのだが、実はこれは県内の強豪校でもある愛工大名電のそれに似せたものである。元々、「Minami」とローマ字で表記すると、「M」から始まるということで、「Meiden」のそれに似たようなロゴとなったが、学校としても元々そのようなものがあったという。藤代監督はそれを意識しながら、より愛工大名電のそれに近いデザインとしたのだが、「ユニフォームには、こだわりはありますからねぇ」と、嬉しそうだった。

 試合は、「沖縄水産vs愛工大名電」のようにはいかなかったかもしれないけれども、それに似たユニフォームに身をまとった両校の選手たちの戦いぶりは見事だった。

(文・手束 仁

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愛工大名電 【高校別データ】
沖縄水産 【高校別データ】
豊橋南 【高校別データ】
三谷水産 【高校別データ】

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
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