第3回 健大高崎(群馬)葛原美峰コーチ流ゲームプラン立案メソッド 「木」ではなく「森」を視る【Vol.1】2017年05月05日

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【目次】
[1]機動破壊のブレーン
[2]総論:「何点勝負か」からプランを練る
[3]プラン精度、実現度を上げる精緻なデータ

 もはやおなじみの「機動破壊」。だが、健大高崎はそれだけではない。走攻守にわたり緻密に練られたゲームプラン。その存在がチームの力を何倍増しにもしている。いったい、どのような流れでゲームプランは練られていくのか。立案者である葛原美峰コーチに秘訣をうかがった。

機動破壊のブレーン

葛原美峰コーチ(健大高崎)

 高崎健康福祉大学高崎高等学校(以下、健大高崎)といえば「機動破壊」。このフレーズは、すっかり全国の高校野球ファンにとってなじみ深いものになった。だが、誤解されがちなのが、「機動破壊」=盗塁、という先入観。1試合で盗塁数が多ければ機動力が機能したと評され、少なければ機能しなかったと評されがちだが、そうではない。

 機動力を駆使して相手チームへプレッシャーをかけ、強打でたたみかける。それでリードを奪えればそのまま試合を支配していく。もし接戦になった場合は、ヒットが出ずとも1点を奪いに行くために機動力を活かす。その両方に通じるのは、相手の心理を巧みに突く野球だ。そのためには、自分たちの強みはもちろん、相手のウィークポイントを的確に把握している、もしくは把握していく必要がある。つまり、健大高崎の「機動破壊」は、ゲームプランが緻密であればあるほど試合前半から効果を発揮しやすい。

「勝つためのゲームプラン」。
これから夏の大会を控えているどの高校も考える点である。その点、健大高崎は「機動破壊」を最大限に活かすためのゲームプラン、その精度をずっと追求してきた。そのブレーンたる存在が葛原美峰コーチである。

 自称「(青柳博文)監督の相談役」という葛原美峰コーチは、過去の野球部訪問で貴重なメソッドを教えてくれた「機動破壊の核」葛原毅コーチの父。自身、杜若(愛知)で監督を務め、四日市工(三重)でコーチをしていた経験、知見を、健大高崎の野球にフル動員している。

「自分が監督をしていた時は、データをそこまでとっていませんでしたが、コーチとして監督を側面から支える立場になってからとるようになりました。対戦相手の分析は私一人で行っています」という葛原コーチに、「勝つためのゲームプラン」、その立案のヒントを教えてもらった。

【次のページ】 「何点勝負か」からプランを練る

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プロフィール

伊藤亮
伊藤 亮
  • 生年月日:1977年
  • ■ 東京都出身。都立三鷹高校野球部
  • ■ 2004年よりフリー編集兼ライターに。
    『ジーコ備忘録』『ピンポンさん』『セルジオ越後のフットサル入門』『直伝 澤穂希』『俊輔の言葉』など幅広くスポーツ関連書籍の取材・編集を行う傍ら、『新興衰退国ニッポン』(講談社)など、時事問題やカルチャーに関する書籍編集にも数多く携わっている。
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