【選抜出場校徹底分析】龍谷大学付属平安高等学校（京都）

西川 藍畝（龍谷大平安）

チーム記録
打率3位
1試合平均得点2位
得失点差平均3位
長打率1位　0.587
出塁率1位　0.464
1試合平均四死球2位
1試合平均犠打飛の多さ6位
1試合平均盗塁1位

防御率25位
1試合平均奪三振5位
1試合平均失策1位
1試合平均許盗塁5位

　敗れた近畿大会準決勝を含め、9試合中7試合がコールドゲーム。平均イニングは7.11で32校中2番目に少なく、コールド率77.8％は32校でトップ。公式戦で最も9イニングの戦いをやっていないチームというのがデータに表れている。
コールドゲームの多さをお膳立てしたのがオフェンス。昨夏の府大会ベンチ入りメンバー8人を中心に、全試合で7安打以上を放った。安打数で相手を下回った試合はない。さらに13安打以上の試合がなく、打ちすぎることなく、多彩な攻めで得点を奪っていたことがうかがえる。四死球、犠打飛、盗塁の多さがその象徴だ。ただ、敗れた滋賀学園戦では点差が開き、防戦一方になってしまったことが課題だ。

　レギュラーでは5人が打率4割台を記録、3番・西川藍畝はチームトップの14安打、4番・橋本和樹は32校の打者で5番目に多い19打点を挙げた。さらに長打率0.926は32校の主力打者で4位、出塁率0.622は同3位となっている。本塁打は橋本と下級生の岡田悠希が3本ずつ放った。特に岡田は安打数に占める長打の割合が80％で、バットに当たれば打球は遠くへ飛ぶ。三振7をもう少し減らせれば、大打者へと近づけるだろう。2番ながら10四死球を得た久保田悠の働きも見逃せない。
盗塁は10人が1個以上成功させた。誰かの数字が目立つわけではなく、打線全体で走れる印象受ける。

　投手陣は敗れた滋賀学園戦以外の8試合は全て先発投手が完投。コールドゲームが多かったこともあるが、継投がないのは珍しい。ただ思い起こせば、昨年のチームも秋は高橋奎二が1人で公式戦を投げ切り、継投はなかった。
今年のエース・市岡奏馬は、昨春の選抜からベンチ入り。秋は奪三振率が8.94と32校の主力投手（投球回数25以上）で9番目に多い。ただ府準々決勝の大谷戦、決勝の福知山成美戦など被安打が多い試合もあり、好調時と不調時のムラがやや見受けられる。四死球から崩れた近畿準決勝の滋賀学園戦も調子が悪い時の典型的なパターンと言える数字だ。

　もう1人の大野将輝も昨春の府大会からベンチ入り。夏休み前半の練習試合では完投した試合もあったが、後半からやや調子を落としたようで、公式戦は2試合5イニングの登板にとどまった。秋終了後の11月の練習試合では誉を相手に7回完封している。
守備は堅く、9試合で1失策。平均失策は1位で、失点に占める自責点の割合が32校で唯一となる100％。記録面では守備のミスは失点に繋がらなかった。さらにキャッチャーの竹葉章人も許盗塁が2で、投手陣さえ崩れなければ安定した戦い方が期待できると言える。

　秋季大会の登録選手は20人で、レギュラーでは4人が左打ち。試合出場をしていない選手が7人おり、外野手以外は試合中の選手交代が少なかった。
出身地では地元京都が7人。府外は13人という構成。近畿以外では東海、中国、四国出身者がいる。