マネージャー人生が終わる最後の1分1秒まで全力サポート! 小金(千葉)の頑張る!マネージャー
千葉県松戸市に位置する小金高校野球部には現在15人の部員が所属しており、4名のマネージャーが日々の活動をサポートしている。
彼女たちの日々の活動への思いを伺った。
選手のことを考えてスピード感を持って行動する
バッティングマシーンにボールを入れる小金マネージャー
小金高校野球部を日々支えるマネージャーは、2年生の林響紀さん、1年生の稲本海咲さん、関七海さん、中村未来さんの4名。
普段はノック時のボール渡し、ボール拾い、倉庫の掃除、補食づくり(1人1合のおにぎりを作ること)などをしている。
ホームでの練習試合の時には、学校で使われなくなった机とイスを運んでホームランフェンスを作ることも彼女たちの仕事の一つ。野球部の専用グラウンドではないため、こういったひと工夫をしている。
やりがいを感じる瞬間は、選手が笑顔で野球をしているところを見たときや、「ありがとう」「助かった」と言われたときだ。また、トレーニングメニューの中でタイムを計ったりしている時間が一番楽しい時間だ。これについて、選手が頑張っているのを近くで感じられるからだと話してくれた。
やはり、マネージャーとして選手に貢献できていると感じるときが一番楽しいのだろう。
選手への愛は他の高校のマネージャーに負けていない点だと語る彼女たち。常に選手のことを考えてスピード感を持って行動していると話してくれた。
そのために心がけていることとして弱音を吐かないこと、選手の2倍動こうと思って活動していると語る。選手への思いをしっかり意識し、行動に移すことができているのだと感じた。
おすすめのマネージャーグッズはビニールテープだ。
「バットの補習からボール巻きまで色々なことに使える万能グッズです!」とその理由を話してくれた。マネージャー活動をしていく中でどこにも使えて優秀で便利なビニールテープは欠かせない相棒的存在なのだ。
マネージャーあるあるは何ですかと聞くと「冬の水仕事がなかなかキツイです」、「体育の授業でクラスメイトが脱ぎ捨てたジャージをたたんでしまうこと」だと話す彼女たち。
ジャージをたたんでしまうことなどは、マネージャーとしての活動が習慣化してしまった良い例だろう。
特に思い出に残っている試合は第99回選手権大会、7月18日に[stadium]柏の葉球場[/stadium]で行われた市立船橋高校戦だという。「負けるってこういうことなんだと感じました。とても悔しかったです」と振り返ってくれた。
昨年の夏の大会の中では、先輩たちにとって最後の試合になってしまった7月19日に[stadium]第一カッター球場[/stadium]で行われた東京学館浦安戦が最も記憶に残っている。
勝てない試合ではなかったのでとても悔しかったという彼女たち。この試合で引退してしまった3年生は、「私たち後輩のことを思ってくれるとっても優しく頼もしい先輩でした」と話してくれた。
思わず選手にキュンとしてしまうところは、笑顔と一生懸命野球に向き合っているところだと答えてくれた。
そんな選手たちへ、「いつも一生懸命野球をしている姿を見て元気をもらってます!ありがとう!私のマネージャー人生が終わる最後の1分、1秒まで全力でサポートしていきます!!」と熱いメッセージを送ってくれた。
野球の楽しさ・難しさを知り、前よりもっと野球が好きなった
左から稲本海咲さん、関七海さん、中村未来さん、林響紀さん
ここからは2年生の林 響紀さんにマネージャーとしての思いを伺った。
中学校時代吹奏楽部に所属していた林さんが、野球部のマネージャーを始めたきっかけは野球が好きだったからだ。そんな林さんが目指すのは信頼されるマネージャーだ。
マネージャー活動を通して誰かに支えられて生きているということをより実感したそうだ。また、「野球の楽しさ・難しさを知り野球が以前よりもっと好きになりました」と答えてくれた。
マネージャーをしている上で嬉しかったことは選手が「いつもありがとう」「甲子園行こうね!」と言ってくれたことだ。
逆に挫折しそうになったことはありますかと尋ねると、「ないです!」と答え、続けて「とても恵まれた環境で活動させてもらっています」とも語ってくれた。
自慢のエピソードは、トスが上手いと言われたこと、字がきれいだと言われたことだ。
また、マネージャーをする上で一番心に残っていることについて、「“わからない”が一番ダメなんだ」という監督の一言を上げてくれた。たとえわからないことがあったとしても、ただ「わからない」で済まさず、物事を調べ、考え、自分なりの仮説をたてて行動するということが、高校野球生活だけでなく、今後の人生に活きてくるだろう。
もしマネージャーをしていなかったら…「視野が狭く周りの人たちへの感謝が十分にできなかったと思う」と話してくれた。そんな彼女にとってマネージャーとは「花を咲かせる土のような存在」だと語る。
主将の中島啓太選手は、「マネージャーの存在は常に支えてくれるチームの力であり、頑張ろうという気持ちの原動力になっている」と答えてくれた。自らが「土」となり、咲かせた「花」たちも、土の存在あってこその自分たちだとしっかりわかってくれているのだ。
選手思いで弱音を吐かず、一生懸命に活動に取り組む彼女たち。そんなマネージャーが支える小金高校の今後に期待をしていきたい。
文=編集部