目次

[1]高校時代から飛び抜けていた運動能力
[2]飛び抜けた集中力と練習量

飛び抜けた集中力と練習量



西村慎太郎監督

 今までの部分はあくまでも目に見える部分での新庄剛志なのである。では、見えない部分の新庄はどうだったのだろうか?

「彼はプロ野球選手になるんだ!ということで夜中までバットずっと振ってました」

 そうなのである、新庄はプロという明確な目標のもとやるべき事をやっていたのである。

 「オンオフがはっきりしていて、ここっていう練習の時の集中力はすごかったです。集中してる時は同級生でも声が掛けられないぐらい集中してやってますよね。例えば、個人練習の時に寮で夜中素振りをやっていて、新庄に親から電話がかかってきたんですね。「新庄さん電話です」と(後輩が)言っても、「今練習中」と言ってバシッとて切っちゃいますもんね。「繋がんでいい、あとで電話するって言え」って、そのまま練習に集中してしまう。だからやっぱり違いましたね」

 同級生も声をかけられないオーラを纏い、高い集中力で練習していたのがよく分かる。これこそが、晴れやかな舞台で輝いている新庄からは見えてこない知られざる素顔なのだろう。

(文・田中 実)