目次
成瀬善久

[1]周囲に2けた勝利が当たり前と思われているからこそ意識しない
[2]投球で大事なのは開き直り
[3]ピッチングは綿密な作業 だからこそ単純ではない

 最後は成瀬投手に今シーズンの状況と、また周囲の目に対し、どのように向き合っているのかを語っていただいた。

周囲に2けた勝利が当たり前と思われているからこそ意識しない

―-成瀬投手が先発投手として大事にしていることは何でしょうか。

成瀬 善久投手(以下「成瀬」)  ここ2年間はケガをしながらやっていたので、まずは1年間、ローテーションを守ることが一番だと思います。その中で周りから「ふたケタ勝つのが当たり前だ」と思われているからこそ、僕はそこを意識していないです。普通にやったら勝てると思っている自分もいるし。勝てない時があっても、周りから同情を誘うようなリアクションをしてはいけないと思っています。

――黒星がつくのは、あっさり割り切れますか?

成瀬 割り切れないですよ。勝てないと、気持ちが割り切れない。

――その気持ちはどう処理するんですか?

成瀬 うーん……笑っていますね。

――悔しさを周囲に見せないように?

成瀬 グラウンド内では、あまり同情を買うような言葉を言いたくないので。勝つピッチャーがいれば、負けるピッチャーもいると思っているので。あまり気にしてはいないですよ、何だかんだで。でも春先に連敗することがなかったので、正直悔しい。苦しいし、「どうやったら勝てるんだろう」と考えてしまいます。

――人間だから当然、葛藤はありますよね。

成瀬 ただ、それがドツボにはまる原因になるので、あまり考えないようにしています。いいピッチングをしても勝てないときは勝てないし、悪いピッチングをしても勝てるときは勝てる。そう割り切っているので、まずは自分の仕事をしっかりすることだと思っています。

 

 今季、11年間在籍したロッテを退団し、フリーエージェント宣言でヤクルトに移籍した成瀬投手。長らく身を置いてきたパ・リーグと、新天地のセ・リーグではその野球に違いがあるという。
では、投手はどんな点に留意し、打者に向かっていけばいいのか。勝負に勝つための鍵となるのが、「野球という競技のポイントを把握する」ことだ。

 投手にとって大事なのは、打者のタイミングを外すことである。逆に打者は、投手の投げる球にタイミングを合わせることが求められる。その真理を理解しておくと、とりわけ投手は戦いの主導権を握ることができる。
いよいよ、1万字以上に及ぶインタビューの最終章。成瀬投手が、ピッチャーにとって極めて大事な心構えを語る。

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