<健大高崎1-0浦和学院> 3日◇練習試合◇ 健大高崎グラウンド

  健大高崎vs浦和学院の一戦は12球団スカウトが集結し、石垣 元気佐藤 龍月健大高崎コンビに注目が集まったが、スコアは1対0と惜敗した浦和学院にも収穫があった一戦だった。

 まず先発の西村 虎龍投手(2年)が強力打線を誇る健大高崎相手に5回無失点の好投。佐倉シニア出身で入学当時は高い打撃センスを発揮し、1年春からベンチ入り。投手としての能力も高く、森大監督の指導のもとメキメキと実力を伸ばしてきた。「投手として育ててよかったです」と森監督が目を細めるように、投手としてのセンスが高い。

 135キロ前後のストレートだが、力みがまったくなく、タイミングが取りにくく打ちにくい。浦和学院のベンチ入り投手陣に共通しているのはガムシャラに投げようとする力投派がいないことだ。「石垣(元気)くんみたいに剛速球を投げられるわけではありませんから。コントロール、打ちにくさですよね」と実戦力が高い投手を育ててきた。西村は学業成績も優秀で、オール5に近い成績を残しているという。打撃力も高く、森監督は「投手だけではなく、野手としても出場機会があるでしょう。秋も期待が持てます」と高評価していた。

 1点を取られたアンダースローの石川 拓海投手(3年)もだいぶ調子が戻ってきた。ストライクが取れるようになり、打者を手玉に取る投球ができるようになった。森監督は「彼の復調は本当に大きい。変則派がベンチに居るだけでも違います」と安堵のコメント。エース格の岡部 修弥投手(3年)、吉井 蓮太郎投手(3年)も無失点の好投を見せ、

 打撃陣で最も活躍したのは主将の西田 瞬内野手(3年)。石垣、佐藤の両コンビからヒットを打つなど計4安打。好投手揃いの健大高崎相手にも抜群のバットコントロールを発揮した。プロ注目のスラッガー・藤井 健翔内野手(3年)は2打数0安打に終わったが、本塁打性のファールを見せるなど、仕上がりは順調だ。

 完封負けに終わったが、6安打を記録し、21個のアウトのうちゴロアウトは10。アウトになった打球も痛烈な打球が多く、森監督も内容は悪くなかったと語る。強い打球をアウトにした健大高崎の守備力が際立っていたが、強いゴロ、ライナーを打ち続ければ、大会でも爆発が期待できる。

 試合後、時間をかけてミーティングを行い、反省を行った浦和学院ナイン。本戦では投打ともに噛み合った野球を見せることができるか。