春は「成長」と「悔しさ」を経験

 この20年近く、桜美林は苦しい時期を過ごしてきた。夏の大会の成績を見ても、2010年に準々決勝まで進んだが、日大鶴ケ丘に敗戦。その後は2、3回戦で敗退することが多かった。しかし2019年に日大三を倒してベスト4入りを果たすと、21年に4回戦、23年は5回戦進出。22、24年はベスト8に入るなど、徐々に復活の兆しを見せている。

 今年のチームは主将の増田 篤暉内野手(3年)、昨年から背番号「1」を背負った沼田 優杜投手(3年)をはじめ、投打に下級生から出場している選手も多く、大きな期待を抱いて新チームは発足した。しかし、秋の東京都大会は初戦の駿台学園戦で9回に3点を奪われサヨナラ負け。早々に姿を消したことで、長い冬を過ごしてきた。

 冬は体作りや素振りの練習で量をこなし、基礎を徹底させた。迎えた今年の春季大会初戦、日本学園との試合は主導権を握られながらも、土壇場の9回に同点に追い付き、最後は増田が殊勲打を放ってサヨナラ勝ちを収めた。頼りになる主将は「点を取れない状況でも諦めなかったことで、サヨナラ勝ちをものにできた。秋サヨナラ負けだったところから、春はサヨナラ勝ち。終盤での集中力や粘り強さなど、秋に出た反省点を改善できた」と成長を実感している。

 それでも、3回戦では東海大菅生に0対10と完敗。7回コールド負けで明確な力の差を痛感した。

「秋の都大会でサヨナラ負けを喫し、そこから春の大会に向けて取り組んできましたが、東海大菅生さんにコールド負け。また悔しさを味わいました。選手たちも敗因を振り返って、その悔しさを忘れず、日々練習に取り組んでいます」(津野監督)

 増田主将も「東海大菅生さんと戦って力の差を感じている。夏までの残りわずかな時間でウェイトなどで鍛えて、力負けしないように頑張りたい」と敗戦を肥やしに夏を見据えている。

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