準決勝第二試合では、近年県内で安定した成績を残している聖隷クリストファーと、今春快進撃を見せている県内有数の進学校である磐田南が激突。同じ西部地区同士の対決となった。
この試合最大の見どころは、聖隷クリストファーで1年秋からエースを務め、3回戦でマダックスを達成しているMAX145キロ左腕・髙部 陸投手(2年)、浜松開誠館、浜松商に対し奪三振ショーを見せ、一躍今年の注目投手となったMAX145キロ右腕の山田 堅正投手(3年)の投げ合いであった。
髙部投手は、初回に最速を2キロ更新する147キロを記録するなど、序盤はキレのあるストレートを中心に組み立てる。中盤以降は変化球の割合を増やす多彩な投球で三振の山を築いた。ピンチでのギアの入れ方、立ち居振る舞いも見事であり、磐田南打線を前に2失点12奪三振と堂々のピッチングを披露した。
対する山田投手は、140キロ序盤のストレートはもちろん、130キロ台中盤まで差し掛かる切れ味抜群のスライダーを軸にピッチングを展開。打たせて取りながら、勝負所で三振を取りに行くテンポのいいピッチングでチームに勢いをもたらした。聖隷クリストファー打線を相手に、8回を3失点5奪三振と評判通り堂々のピッチングを見せた。
試合は、両チームなかなか安打が出ない展開の中、4回裏に聖隷クリストファーが相手のミスからチャンスを作り、9番の高部投手のレフト線へのタイムリー2ベースで2点を先制。続いて7回表に磐田南が、ヒットとエラーでチャンスを作り、6番髙橋 采希選手 (3年)への押し出し死球、7番鈴木 律選手(3年)のレフトへのタイムリーヒットで2点を返し、同点に追いついた。
試合の明暗を分けたのは、磐田南が同点に追いついた直後の7回裏。ヒットと四球でチャンスを作った聖隷クリストファーは6番・逢澤 開生選手(3年)のライト前ヒットの間に、2塁ランナーが間一髪ホームに滑り込み、勝ち越し。反撃を試みた磐田南であったが、これが決勝点となり3ー2で聖隷クリストファーが勝利した。
まさに投手戦と呼べる好ゲームを演出した両チーム。今年の静岡を引っ張るであろう両投手を筆頭に非常に楽しみなチームである。これ以降もぜひ注目していきたい。
文章=高校野球ドットコムインターン生:伊藤 雄大