<春季高校野球静岡県大会:桐陽6―2常葉大菊川>◇27日◇準々決勝◇静岡草薙球場
いよいよ春の静岡も準々決勝。昨秋の県大会優勝校で、東海地区大会でも準優勝。今春のセンバツ代表校に選出された常葉大菊川はこのところの静岡県の王者と言ってもいい存在である。
今大会では沼津商に11対1と大勝。続く3回戦では東海大静岡翔洋に一旦はリードされながらも、5対2と快勝した。石岡諒哉監督は、「この大会では、夏を見据えていろいろ試していきながらやっている」ということだが、小栁 祥太郎選手(1年)が入学早々ながらの活躍で光っている。また長打力もあるリードオフマン橘木 千空主将(3年)のリーダーシップも頼もしい。
桐陽は予選の代表決定戦では系列校の飛龍を4対0で下すなど、ここまでの5試合で、1失点のみという安定感を示している。県大会でも掛川東を8対0、浜松湖北を4対1と下してのベスト8だ。
実はこの両校、昨秋の県大会準々決勝でも当たっており、その時は常葉大菊川が5対0で勝利している。桐陽は三塁も踏むことのできない完敗だった。常葉大菊川はその勢いで県大会、東海大会でも勝ち進み、センバツ切符を掴んだ。
桐陽としては、その悔しさを胸にこの冬を過ごしてきたが、今大会では準々決勝で常葉大菊川にリベンジする機会が訪れたのである。新井 晶登監督は、組み合わせの段階から、「この試合は昨秋5失点と悔しい思いをした望月に託したい」と、前の試合をこの大会1番を背負っている鈴野 佑月投手(3年)でしのぎ切って、この試合に備えた。
1点を追いかける形となった桐陽は5回、四球とバント失策などで好機を作り、暴投で労せずして同点となり、上位に回って1番の鈴木 陸翔温選手(2年)の中前打で逆転する。6回にも二死三塁からまたも暴投による幸運な得点でリードを広げた。
その裏、常葉大菊川も4番の児玉 一琉選手(3年)のタイムリー中前打で1点差とするものの、なかなか連打とならない。それだけ桐陽の望月投手が気持ちの入った投球で踏ん張っていたとも言えよう。そして、望月投手の頑張りに応えようという桐陽打線は8回、常葉大菊川の3人目上野 琥太郎投手(3年)に襲いかかり、3番・亀田 遼選手(3年)、7番・遠藤 聖斗選手(3年)の決定的ともいえる二塁打で3点を追加した。
このリードを最後まで望月投手が、リズムを崩すことなく投げ切った。こうして、桐陽が昨秋の雪辱を果たした。
桐陽は、県の21世紀枠代表候補推薦校に選出されていた。新井監督は、「推薦校に選ばれるということは、単に大会の成績だけではなくて、取り組み方や姿勢も問われます。それに恥じないようにしていこうと意識も高まり、そのことで選手たちのモチベーションも上がっていったと思います。冬を越えて、前向きに取り組んでいく姿勢も強くなっていって、そうした心の成長も今日の結果に繋がったのではないかと思います」と、語っていた。
桐陽は1992年夏に快進撃を見せ、甲子園出場を果たしている。今年のチームは、その時にも負けない、思いの強さと勢い、そしてムードがある。夏へ向けて、まだまだ暴れて、台風の眼となっていきそうな勢いだ。
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