158キロ右腕だけじゃない!この秋、関東大会で準優勝した健大高崎(群馬)には、剛腕・石垣 元気投手(2年)が君臨しているが、左腕の下重 賢慎投手(2年)が急成長を遂げ、「投手王国」を支えている。

この秋の群馬大会、関東大会5試合30.1回を投げて、失ったのはわずか1点のみ。防御率は0.30で、最速も145キロをマークした。182センチ、85キロの恵まれた体格を存分に生かした投球で相手を圧倒した。

この夏の群馬大会初戦では、10者連続奪三振という県大会新記録も樹立。先発4回を投げ打者13人中、11奪三振という快投で周囲の度肝を抜いた。故障のため離脱中の佐藤 龍月投手(2年)の穴を埋める活躍で、秋には失点を許さない投球へと成長した。

182センチ以上もあるような「存在感」を打者に与える。細身の長身ではなく、下半身がしっかり鍛えられているため、打者を威圧するような印象だ。ノーワインドアップから、しっかり重心を落として、スリークォーター気味に投げ込む。リリース後もしっかり左腕が伸びて、球に重さを与えている。変化球も低めにコントロールされ、空振りが奪えるのもうなずける。

夏の「奪三振王」の姿から、秋の「最優秀防御率」投手へバージョンアップ。大きく成長を遂げた下重が、どんな進化を遂げて来年春のセンバツのマウンドに立つのか、今から楽しみになる。

【下重の群馬、関東大会の投手成績】

<群馬大会>

準々決勝(前橋商)7回7安打5奪三振0失点

決勝(東農大二)9回7安打8奪三振1失点

<関東大会>

1回戦(霞ケ浦)5回3安打4奪三振0失点

準決勝(千葉黎明)7回4安打3奪三振0失点

決勝(横浜)※2.1回0安打2奪三振0失点

(※は救援)