【春季鹿児島大会】大島が快勝、見えた勝利へのどん欲さ
<第154回九州高校野球大会鹿児島県予選:大島8-3池田>◇28日◇2回戦◇鴨池市民
大島は初回、相手のエラーで先制。3回は4番・永田 泰雅(3年)の左越え二塁打で2点目を挙げた。
5回は4番・永田の2打席連続適時打で口火を切ると、5番・橋口 青波(3年)の右越え三塁打、8番・田中 誇生(2年)の犠飛、9番・安田 喜之祐(3年)の左越え三塁打で計4点を挙げてリードを広げた。
先発の安田は6回まで1安打で三塁を踏ませず。
このまま大島が押し切るかと思われたが池田は5番・田村 翼(3年)の犠飛で1点を返す。
その裏、大島は暴投で追加点を挙げた。
8回、池田は1番・濱村 航大(3年)の左前適時打と内野ゴロで2点を追加。その裏、大島は6番・富 虎太郎(3年)の左前適時打で1点を挙げた。
終盤、点の取り合いになったが、最後は大島が9回を無失点で切り抜け、5点差で逃げ切った。
約1年8カ月ぶりに県大会で勝利した大島。「次も勝ちたいと気合が入った」と4番・永田 泰雅。勝利をどん欲に求める姿勢を前半で示すことができた。
「4番の自分がどっしり構えて、長打で点をとりたかった」と永田。3回に左越え二塁打で2点目、5回は大量点の口火を切る左前適時打を放った。この後、5番・橋口、9番・安田は左越え三塁打、8番・田中は犠飛と打ってつなぐ大島打線の本領を発揮した。「やれる自信をもって、チーム一丸で点をとる姿勢を出せた」(永田)。
5点差で県大会2勝目を手にしたが、小林誠矢監督は「反省の多い試合だった」と、久々の勝利で歓喜した初戦とは一転して、厳しい表情で振り返った。
「コールドで勝とうと焦りが出たところを相手に付け込まれた」と永田。7、8回は四球やけん制悪送球などのミスも絡み、不用意な失点が続いた。
打線も打つべき球を見逃したり、見逃せと指示した球に手を出すなど、チーム内の意思疎通を徹底できず、畳みかけられなかった。
県大会の勝利から遠ざかっていた分「経験の少なさ」(小林監督)が出てしまったが「それを言い訳にしてすませたくない」思いが強い。勝って反省できるのが何より。負ければ島に帰って反省するしかないが、勝てば鹿児島に残ったまま次の試合で修正し、成長するチャンスがある。そんな試合を1試合でも多く経験して、経験値を上げていくことがこの春の大島のテーマだ。