田辺、神宮王者・星稜に大健闘! 21世紀枠22連敗も「ここに帰ってきたい」
星稜に接戦を演じた田辺ナイン(写真は過去の取材より)
<第96回選抜高校野球大会:星稜4-2田辺>◇18日◇1回戦◇甲子園
21世紀枠で76年ぶりに出場の田辺(和歌山)が、昨年の明治神宮大会優勝の星稜(石川)と大接戦を演じた。最後の最後まで勝敗の行方が分からない緊迫したゲームの結末は、優勝候補に挙がる星稜に軍配が上がった。23年から指揮を執る山下 智将監督は甲子園初勝利となった。
前半は星稜が点を取れば、田辺が追いつく展開だった。2回に星稜が重盗で1点を先制すれば、3回に田辺が岡本 和樹内野手(3年)の適時打で同点に。4回には星稜が敵失で1点を先制すれば、4回に田辺がスクイズで再び同点に追いつく粘りを見せた。
その後、随所に両チームともに守備でファインプレーが飛び出し、開幕戦に続く延長戦も見え始めた9回に、星稜がついに勝ち越す。1死二、三塁から代打の東 汰生(3年)が右前へ2点適時打を放って2点を突き放した。
星稜は守っては先発の佐宗 翼投手(3年)から、戸田 慶星投手(2年)、 道本 想投手(2年)とつなぎ、田辺の追い上げを食い止めた。元日に起こった能登半島地震で被災した地元石川に勇気と希望を与えた。
佐宗は「力んでしまい、自分の投球ができなかった。田辺さんは智辯和歌山を破ったり、京都国際とも接戦しているチーム。侮れないと思っていましたが、予想以上に打てるチームでした」と自分の投球を振り返り「2度目の甲子園だが、甲子園のマウンドは、やはり独特。次の試合までに慣れていきたい」と次戦での好投を誓った。
一塁側アルプス席の大応援団にも後押しされた田辺ナインの奮闘は「勝利」に値するものだった。9回最後の攻撃も一打同点のチャンスを作り、最後まで勝利を諦めなかった。
先発した寺西 邦右投手(3年)は139球、8安打4失点(自責2)の完投。敗れはしたがインステップからの威力ある直球で星稜打線を最後まで苦しめた。「内角をついたり、直球を狙っているのをみて、変化球で外したり自分の投球ができた。夏へ向けて球数を少なくして抑えることができるようになりたい」と敗戦にも胸を張った。
また主将で二塁打を放った山本 結翔内野手(3年)は、多くの人に感謝の気持ちを口にした。
「星稜相手に互角の戦いとなり勝負できて、良かったです。自分の力を出し切れたと思います。多くの田辺市民の方が応援にきてくれてとても力になりました。また、夏はまた(甲子園に)行きたい気持ちになりました。ここに帰ってこれるように頑張っていきたい」。
田辺が敗れ、21世紀枠での出場校の初戦は22連敗となった。それでも、甲子園のファンは大健闘の田辺ナインに温かい拍手をやめなかった。
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