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【センバツ】神村学園、広陵…夏春連続出場8校の躍進の鍵を握るキーマンたち! 昨年優勝「山学パターン」の再現なるか?

2024.02.07


高尾 響(神村学園)、今村 拓未(神村学園)

第96回選抜高等学校野球大会出場32校のうち、夏春連続出場している学校は8校ある。それがこちら。
北海(北海道)
八戸学院光星(青森)
愛工大名電(愛知)
星稜(石川)
近江(滋賀)
広陵(広島)
明豊(大分)
神村学園(鹿児島)

夏の甲子園出場校は、新チームに移行してから短い期間で秋季大会に突入するので、チーム作りが難しい。そんな中、勝ち上がったこの8校は、甲子園経験者が多いのが特徴的で、昨年センバツ優勝をはたした山梨学院(山梨)と似ている。
山梨学院は前年夏の甲子園でレギュラーだった選手4人が新チームに残り、センバツの切符を摑んだ。高橋 海翔内野手、岳原 陵河外野手の両スラッガー、ショートの進藤 天内野手、正捕手の佐仲 大輝捕手といずれも重要なポジションだった。
経験豊富な選手がいれば、やはり試合の中で実力を発揮できるもの。山梨学院の昨年の戦いぶりは前年夏の甲子園の経験が生きていたように感じられる。特に正捕手の佐仲のリードは冴え渡っていた。

今回は春夏連続出場の8チームからどんな経験者がいて、どんなポジションをこなしているのかを紹介したい。

バッテリーがそのまま残る広陵、ベスト4メンバーレギュラーが残る神村学園が経験値の高さを発揮

まずは広陵。エースの高尾 響投手(2年)、正捕手の只石 貫太(2年)のバッテリーがそのまま残った。三季連続出場となる二人はセンバツ、夏の選手権をあわせて計6試合を経験している。

昨年の広陵の甲子園での試合は接戦が多く、一つ間違えれば、勝利を逃す場面でも抑えて苦戦を制してきた。
そして昨夏は全国大会優勝の慶應義塾に敗れ、悔しさを味わっている。接戦で勝利した試合も、負けた試合も大きな糧となっているだろう。

大会屈指の好投手・高尾が実力を発揮すれば、まずベスト8は堅いといえる。さらに日程にも恵まれれば、高尾が好投しやすい環境になり、その確率は高くなる。
その先の全国制覇には控え投手の好投、打線の援護が全国制覇の鍵となりそうだ。

続いては昨夏甲子園ベスト4の神村学園。夏の準決勝敗退が8月21日で、秋季鹿児島県大会初戦は29日だった。一週間余りの準備期間で迎えた初戦を無事にコールド勝ちを収めた。試合後、小田大介監督は「勝って忙しくなるのは、望んでいたことだったので」と語っており、過密日程を前向きに捉えてチーム作りしているところは強い。

神村学園はそのまま秋季県大会も優勝。九州大会もベスト4に入った。プロ注目のスラッガー・正林 輝大外野手、1年生ながらスラッガーとして牽引する今岡 拓夢(1年)などのスタメン打者が4人残り、今年も強打を発揮して勝ち上がることが期待されている。

神宮大会優勝の星稜は昨夏甲子園に出場した選手が多い。4番だった萩原 獅士内野手(2年)は2番サードで途中出場、5番ライトの専徒 大和外野手(2年)がスタメン出場。途中出場では、エースの佐宗 翼投手(2年)はリリーフ、代打で出場は主将の芦硲 晃太外野手(2年)、秋では1番ショートの吉田 大吾内野手(2年)、秋ファーストでレギュラーだった服部 航内野手(1年)の4人だった。昨夏の創成館戦(長崎)はミスも多く出た試合だった。その反省を活かし、神宮大会では粘り強い試合運びが光った。そうした経験を活かせば、躍進が期待できる。

140キロ左腕2人擁する八戸学院光星、センターラインが残る北海も盤石な戦いを期待

八戸学院光星は二枚看板・147キロ左腕・洗平 比呂投手(2年)と148キロ左腕・岡本 琉奨投手(2年)の2人は昨夏の甲子園でも登板し、8強を経験。甲子園のマウンドを知っており、守備、投手優位のセンバツにおいては大きなアドバンテージになる。今年は前チームと比べると打力は落ちるが、この2人が点を与えない投球をすれば、二季連続の甲子園ベスト8以上も期待できる。

21年から23年まで3年連続の夏の甲子園出場の明豊は、1番ライト・高木 真心外野手(2年)、昨夏の甲子園では6番ファーストで現在は外野の石田 智能外野手(2年)が残り、昨夏甲子園を経験した野田 皇志投手(2年)は140キロ超えの本格派右腕だ。
明豊の各打者は対応力が高く、好投手に対してもどういう準備をすればいいか理解している。前チームの4番打者・木下 季音外野手(3年)は甲子園での取材で「自分は変化球を狙って、ストレートは反応で打っています。140キロぐらいならば、狙い球にしないと打てない速さではないので、変化球を待っている感じです」と140キロ台の速球については脅威に感じていなかった。明豊のレギュラーは、木下に限らず、それが基準だろう。

北海では昨夏、1番センター・片岡 誠亮外野手(2年)、5番ショートの幌村 魅影内野手(2年)、8番ライトの宮下温人外野手(2年)、9番キャッチャー・大石 広那捕手(2年)が残り、片岡は不動の1番、幌村、宮下はそのまま主軸へ成長。大石は1年生エースの松田 収司投手の持ち味を上手く引き出した。センターラインが残っており、松田の安定感も絶大で、全国の強豪校と戦える戦力は揃った。

近江はエース・西山 恒誠投手(2年)が甲子園でリリーフ登板。中村 駿介内野手(2年)は3番サードで出場した。西山はそのまま絶対的なリリーフへ成長し、昨秋、近畿大会初戦の興国(大阪)で76球完封勝利を挙げ、準々決勝の京都国際戦では1失点完投負けとなったが、制球力抜群の投手へ成長。センバツでも好投が期待される。中村は1番センターとなり、昨秋の近畿大会では8打数3安打を記録した。

この8校の躍進はなるか。昨夏の甲子園を経験したチームらしい力強い戦いを見せることができるか注目だ。

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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