土居湊大(広陵)打撃センスは本物! 神宮V右腕から圧巻4安打<2024年のヒーロー候補たち⑦>
土居湊大(広陵)
【高校野球ドットコム注目選手ファイル】
神宮の地で、バットから快音を響かせ続けた選手がいる。第54回明治神宮大会で初戦敗退した広陵(中国)の3番・土居 湊大内野手(2年)は、4打数4安打と大当たり。第1打席の死球と合わせると5打席すべて出塁し、3打点も稼いだ。
相手は、この大会で優勝した星稜(北信越)の左腕エースの佐宗 翼投手(2年)。この試合は本調子ではなかったとはいえ、注目の左腕を完全に「カモ」にした。
第2打席はフルカウントからの真ん中の直球を強烈なライナーで左前安打にした。完全に逆方向を意識した打撃だった。第2打席は変化球を思い切り引っ張り右前適時打。7回には、佐宗の得意球である外角低めのスライダーをバットの先に乗せて中前安打にした。そして、9回第5打席、低めの直球を捉えて左中間への2点適時二塁打。1点差まで詰め寄り、優勝した星稜に食い下がる一打を放った。まさに右に左に真ん中にと、広角打法で4安打。初の明治神宮大会で「10割打者」の称号を得た。
その打撃センスもさることながら、長打力もある。秋季中国大会の準々決勝、下関国際(山口)戦では、右翼ポール際に飛び込むソロを放った。右投手の内角へ食い込む直球を腕をたたんでジャストミートすると、打球は切れることなく右翼席で弾んだ。難しい内角球でも難なく長打にする技術の高さを見せつけた。
左打席で構えたところから、振り出すまでの「間」の取り方がうまい。踏み出す右足を軽く上げたり、小刻みに動かしたりと、投球によってタイミングの図り方にも幅をもたせ、軸足の左足でじっくりと体を支えている。軸がぶれず、どのコースにも対応できる理由はそこにあるようだ。
出場が有力な来年春のセンバツでは、大舞台に強い打撃を発揮し、神宮以上の活躍をみせてくれるに違いない。
広陵・土居 湊大内野手
【経歴】
179センチ、83キロ、右投げ左打ち
東広島市立向陽中出身。
【寸評】
広角に打ち分けるシュアな打撃と長打力を併せ持つ左打者
【実績】
2年夏 甲子園で2試合に代打で出場も2打数無安打。
2年秋 中国大会4試合で15打数6安打、打率.400、1本塁打4打点。明治神宮大会では初戦敗退も、自身は4打数4安打3打点の大活躍。