2回戦 不動岡 vs 蓮田松韻
わずか10人の蓮田松韻、不動岡に食い下がるも終盤に力尽きる
<埼玉県秋季高校野球大会地区予選:不動岡10-7蓮田松韻>◇14日◇東部地区代表決定戦◇越谷市民
この秋の埼玉県の1次予選。4地区で21校が連合チームとなって、7チームがそれぞれの地区で出場している。また、やむなく不参加となった学校も3校あり、埼玉県内では24校の野球部が、秋季大会時点で部員が充足していないということになる。
また、単独チームで出場していても、この蓮田松韻のように、ぎりぎりの10人という状況のチームもある。それでも、蓮田松韻は東部地区予選の1回戦では4校連合(吉川美南、三郷、松伏、八潮)を5回コールドゲームで下しての進出である。対する不動岡は地域有数の進学校でもあるのだが、この代の2年生だけで20人いる。
ということで、県立校としては十分に恵まれた環境である。
そんな条件下の対戦だったが、蓮田松韻は吉田投手と青木捕手のバッテリーが打っても中軸なのだけれども、しっかりとチームを引っ張って、前半はリードを奪って主導権を握っていた。
2回に山﨑 大雅の適時打で先制すると、4回には四死球を重ねて押し出しで2点リード。5回にも捕逸と内野安打などで3点リードとなった。しかし、不動岡もその裏、4番・渡邉の二塁打と6番・佐藤 耀平の中前打で同点とする。
ここで、不動岡のマウンドはエースナンバーの森投手となり、さすがに蓮田松韻もここまでかと思われた。ところが蓮田松韻はここからも食い下がる。6回に内野安打と連続四球に暴投もあって、3点を加えて再びリードしていく。
このリードを何とか守りきりたい蓮田松韻だったが、ここまで何とか凌いできていた吉田投手もやや疲れも出てきたようだった。
不動岡は6回、代打・齋藤 匠音が起用に応えて三塁打を放つと、1番・横山の二塁打で代走の木戸が生還。そして、7回には2死から佐藤と大久保の連続三塁打。さらには、木戸と9番・投手で入っていた森の連続バント安打でついに同点とすると、1番・横山が右前へ落す安打で2人がかえって、ついにこの試合で初めて不動岡がリードを奪った。
こうなってしまうと、やはり層の厚さも含めて不動岡の戦いに余裕が生じてくることは否めない。8回にも田口と渡邊という中軸の連続二塁打で追加点。途中、蓮田松韻はアクシデントで1人欠場となってしまっていて、ただ1人の控え選手が出場していた。そんなこともあって、さすがに蓮田松韻も力尽きたという感じだった。それでも、最後まで全力で立ち向かい、コールドゲームを阻止した戦いは、評価されていいであろう。
不動岡の荒井 秀樹監督は、「前の試合を見させてもらっていたんですが、人数は少ないけれどもしっかりした野球をやってくるなという印象は持っていました。投手もなかなかいいなという感じでしたから、簡単には勝たせてはもらえないとは思っていました。その通りに、中盤までは苦しみました」と、辛勝に安堵していた。それでも、一つ突破口を作っていくと、やはりそこから攻め込んでいける勢いはあった。
県大会進出を果たしたことにも、ホッとしていた。「県大会へ進出して戦っていくということで、また、次の世代への呼び込みにもなると思います」と、公立校の多くが、部員確保に頭を悩ませている中で、ある程度安定した部員を確保できているチームとしても、いい戦いをしていきたいというところでもあろう。