試合レポート

【鹿児島】決勝 神村学園 vs 国分中央

2023.11.19


神村学園が「怒涛」の1年をV4で締めくくる!

<MBC旗争奪鹿児島県選抜1年生野球大会:神村学園3ー2国分中央>◇18日◇決勝◇姶良

午前中まで降り続いた雨の影響で試合開始が約2時間遅れ、真冬並みの寒気と強風の中での決勝戦だった。

神村学園は左腕・窪田 瑶、4回途中から右腕・千原 和博につなぎ、6回まで無安打に抑えた。国分中央は右腕エース川瀬 聖智が要所で厳しいコースを突き、少ない球数で丁寧に打たせて取る投球が冴え、テンポ良く試合が進み、5回まで両者無得点だった。

均衡が破れたのは6回。神村学園は無死満塁から併殺の間に先制点を挙げる。7回には2死満塁と再び好機を作り、2番・入耒田 華月がフルカウントからしぶとく中前2点適時打を放ち、リードを3点に広げた。

6回まで無安打の国分中央打線だったが7回に反撃。1死から4番・柳田 大志が左越え三塁打の初安打を放つと、6番・門田 孝新主将が追い込まれながら二塁後方、右翼前方に落ちる適時打を放って1点を返す。7番・谷山 颯太も右前打で続いて二、三塁とし、捕逸で2点目を挙げた。

追い上げる国分中央は9回、先頭打者がエラーで出塁し、犠打で二塁に進んで一打同点の好機を作ったが、神村学園の4番手・早瀬 朔が後続を断ち、1点差で競り勝った。

神村学園が苦しみながらも大会初の4連覇を達成。小田大介監督は「4連覇は意識していた。悪いところがたくさん出た試合だったが、今年最後の公式戦を勝って締めくくれたのは良かった」と評価した。

今大会4試合、スタメン9人で終わった試合は1度もない。毎試合、15、6人のメンバーをつぎ込み、投手は3人以上の継投。ベンチ入り20人全員がグラウンドに立っており、決勝戦も15人が出場した。

理由は「経験の少ない1年生に緊張感のある実戦を経験させるため」(小田監督)だ。入耒田、今岡 拓夢、千原、早瀬らは2年生も含めたレギュラーチームでの経験が豊富にあるが、大半の1年生は実戦経験が少ない。

夏の甲子園で4強入りし、地元・鹿児島であった国体にも出場した関係で、1年生のみの実戦はおろか練習もなかなか積めていない状況だった。選手に経験を積ませつつ、本気で勝ちを目指す。時に相反するようなベクトルを両立させる難しいミッションを見事にやってのけた。

左腕・窪田は2四球、無安打と好投していたが「打線が簡単に打ち取られ、走者が出ているのに点が取れていない」(小田監督)流れを変えるために、経験豊富な右腕・千原にスイッチ。3球三振で打ち取り、5、6回もテンポ良く3者凡退で切り抜けた。

圧巻だったのは7回1死の場面。左翼に回っていた7番・窪田が2ボール2ストライクとなったところで、代打・秋吉 璃玖を送っている。秋吉は打席に立った直後の1球目を中前に弾き返し、2番・華月の2点適時打の口火を切った。

背番号7を背負った秋吉だったが、ここまで無安打。レギュラーチームで練習した経験もない選手だったが、このところ打撃練習で調子を上げていた。加えて「積極的に振る」姿勢を身に着けてもらいたいという小田監督の狙いがあった。残るストライクはわずか1球。まさに「緊張感のある実戦」の極まった状況だが、秋吉は「自分が打てばチームが波に乗る!」と覚悟を決め、外角の変化球を逃さず弾き返し、期待に応えた。トップチームの補助など裏方の時間が長く、なかなか自分たちの練習もできなかったが、早朝や練習後の時間を活用してバットを振った成果を実戦で発揮した。

7月の甲子園予選から始まって、8月、9月は夏の甲子園、秋の九州大会予選、10月は鹿児島国体、九州大会があった。九州大会から戻ったらすぐに1年生大会とこの約5カ月はまさしく「怒涛の如く」(小田監督)日々が過ぎていった。じっくり身体を休め、過去を振り返る時間も取れない中で、どこのチームも体験できない貴重な経験を積めた。経験の少なかった1年生も4試合を勝ち抜いて優勝という最高の結果で23年を締めくくった。この1年間の「収穫と課題」をこの冬でじっくり分析し、鍛錬を積んで、来年の更なる飛躍につなげるつもりだ。

この記事の執筆者: 政 純一郎

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