【京都】決勝 立命館宇治 vs 京都翔英
<第105回全国高校野球選手権京都大会:立命館宇治7-6京都翔英>◇28日◇決勝◇わかさスタジアム京都
この春、準優勝の立命館宇治は今夏、優勝候補として注目され、準決勝で龍谷大平安を破ってきた。一方、京都翔英も試合前まで高校通算28発のスラッガー・小笠原 蒼内野手(3年)を中心とした強打と、鍛え抜かれた守備が魅力のチームだ。
試合はシーソーゲームとなった。
2回、京都翔英の7番・西山 迅捕手(3年)の適時打で1点を先制したが、3回には立命館宇治のスラッガー、5番・築山 隆翔外野手(3年)の2点適時打ですぐに逆転した。
京都翔英は4回、犠飛と代打・ 門山 洸太内野手(3年)の適時二塁打で勝ち越し。そして5回には小笠原が高校通算29本塁打目となる2ランを放った。小笠原は「つなぐ気持ちで打席に入っていました。わかさスタジアムであんなに飛ばしたのは自分でも驚きです」と本塁打を振り返った。
これで京都翔英が流れを作ったかに見えたが、5回、立命館宇治が併殺崩れと6番・稲葉 康誠内野手(3年)の3ランで逆転に成功した。稲葉の3ランには5番の築山も「長打力のある選手だと思っていましたけど、まさかこんな飛ばすとは驚きでした」と振り返るほど鋭いライナーが左翼席へ飛び込んだ。
9回表、京都翔英は5番・橘田 快晴外野手(3年)の適時打で同点に追いつく、しかし9回裏、立命館宇治はすぐにチャンスを作り、5番築山の犠飛でサヨナラ勝ちを決め、4年ぶり4度目の甲子園出場を決めた。
どちらも持ち味を発揮したゲームだった。
立命館宇治は新チーム当初は、なかなか実力を発揮できず、勝てない試合が続いたそうだが、それでもこの1年で、個々の能力の高さを発揮できるようになった。
1年春からレギュラーで高校通算13本塁打の築山は総合力の高い外野手、3番には高校通算40本塁打を超える北川 陸翔外野手(3年)、ナイン、里井監督が全幅の信頼を置く主将・塚本 遵平内野手(3年)も抜群の守備力を誇る遊撃手だ。
エースとして活躍した195センチの大型右腕・十川 奨己投手(2年)も威力ある直球が魅力で、来年には140キロ後半の速球も十分期待できそうな器を持った逸材だった。
京都を代表するスラッガー・小笠原は2安打の活躍。恵まれた体格、無駄がなく、安定したスイング軌道から豪快な打球を放つところまで決勝戦でもその実力を発揮した。
ゲーム展開も、出場した選手のレベルの高さを含めて、決勝戦に相応しい好ゲームだった。