試合レポート

中部学院大vs天理大

2023.06.07

中部学院大が初の8強進出!サヨナラ勝ちで2試合連続のタイブレークを制す

中部学院大vs天理大 | 高校野球ドットコム
サヨナラ勝ちを喜ぶ中部学院大の選手たち

<第72回全日本大学野球選手権大会:中部学院大1-0天理大>◇7日◇2回戦◇東京ドーム

 東海地区大学野球連盟代表の中部学院大が、阪神大学野球連盟代表の天理大を延長11回サヨナラ勝ちで破り、初の8強入りを果たした。

 試合は壮絶な投手戦となる。中部学院大先発の宮島 拓斗投手(3年=興国)は「キャッチャー(竹中 奨/3年=広島商)が『真っすぐが来ている』と言ってくれていたので、どんどん真っすぐで押していくことができました」と140~145キロ前後の直球を主体に天理大打線を寄せ付けない。

 対する天理大先発の藤居 海斗投手(4年=近江)も走者を出しながらも粘り強い投球で5回まで2安打無失点に抑える。

 試合は動いたのは6回、中部学院大は1死二塁から4番・宮坂 愛斗内野手(4年=上田西)が右前に安打を放ち、二塁走者の田中 恵亮内野手(3年=八戸学院光星)は本塁を狙う。しかし、右翼手の石飛 智洋外野手(3年=出雲西)がワンバウンドのストライク送球を見せ、本塁でタッチアウト。好守備で天理大がピンチを脱した。

 力投を続けてきた藤居だが、7回に2死から四球と安打で一、二塁のピンチを招くと、天理大は左腕の本間 悠貴投手(4年=大冠)に継投。死球で満塁とピンチを広げたが、3番・森 翔太郎内野手(3年=熊本工)をスライダーで空振り三振を奪い、ここも無失点で凌いだ。

 本間はスタメンに左打者を7人並べた中部学院大打線に対してスライダーが有効に決まり、8回、9回を三者凡退に切って取る。初回から好投を続けてきた宮島も9回を投げ切り、3安打無失点。「過去最高のピッチングをしてくれた」と間宮大貴監督も絶賛する好投だった。

 試合は延長戦に突入し、無死一、二塁から始まるタイブレークでスタート。中部学院大はここで縄田 渉投手(4年=大阪桐蔭)に継投した。10回表の天理大は犠打で1死二、三塁とするが、空振り三振と三ゴロに倒れて無得点。中部学院大もその裏に1死満塁とするも森が一塁への本塁併殺に打ち取られ、両チーム無得点に終わった。

 11回表の天理大は走塁ミスもあり、またしても無得点。初のタイブレークだったという縄田が好投を見せた。

 11回裏の中部学院大は宮坂から攻撃がスタート。バントを決められずに2ボール2ストライクと追い込まれてしまったところで間宮監督はタイムを取り、「ゲッツーになっても良いからとにかくバットに当ててくれ」と宮坂に声をかけた。すると、宮坂はその期待に応えて左前に安打を放ち、無死満塁とチャンスを広げた。

 ここで打席に立つのは5番の大江 拓輝外野手(4年=八戸学院光星)。「決めるという気持ちしかなかったです」と1ボールから高めの直球を振り抜くと、打球は前進守備の一、二塁間を破る安打となり、中部学院大がサヨナラ勝ちを収めた。

 2試合連続でタイブレークをものにした中部学院大。サヨナラ打を放った大江は「タイブレークで負けた記憶がないので、勝負強いチームだと思います」と胸を張る。

 東海大静岡キャンパス、皇學館大と争った代表決定戦では2度の総当たり戦で優勝が決まらず、3日目のトーナメント戦で連勝して出場権をつかんでいる中部学院大。彼らの激闘はまだ終わりそうにない。

(取材:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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