都立総合工科vs都立産技高専
総合工科が力の差を見せつけて、都立産技高専に5回コールド勝ち
公式戦初登板となった総合工科・鎌田君
<春季都大会1次予選:総合工科20-2都立産技高専(5回コールド)>◇11日◇1回戦◇総合工科グラウンド
昨秋は、1次予選の代表決定戦で駒込に逆転サヨナラ敗けしてしまった総合工科。弘松 恒夫監督も、「会場校としては、何としても本大会へ進出を果たしたいという意識だった」という思いだっただけに、悔しさもあったようだ。そんな負けから半年を経て、この春は、まずは確実に1次予選を突破して本大会進出を果たしたいところである。
また、都立産技高専は昨秋は無念の出場辞退となってしまっただけに、この春はメンバーが揃って戦えるようになったので、思いもはじけているところであろう。
全国に先駆けて、この日から始まった東京都の春季大会1次予選。総合工科は、先発マウンドに公式戦初登板となる鎌田 清宇投手を送り出した。これは、弘松監督の「本当に一生懸命努力する子で、まじめに練習しているので、公式戦での登板機会を与えてあげたかった」という思いもあった。背番号10を背負った鎌田だったが、やはり公式戦初登板ということでいくらか硬くなったのか、先頭打者に四球。なおも、次打者に安打されて無死一、二塁。いきなりのピンチとなって、さらに四球を与えるなどして1死満塁。ここで都立産技高専は、5番野村の中前打と押し出しで2点をリードする。
2点を追いかける形となった総合工科だったが、1死後、四球と星の右前打などで1死二、三塁として、続く武藤の中犠飛で1点差。さらに佐藤 結緒の打球は中堅手の横を破って、これがランニング本塁打となって総合工科は一気に逆転。その後も追加点しながら捕逸などもあって、2死二、三塁とチャンスを広げると、9番川合が中越えへ。この打球もそのまま一番深いところに届いて、打者走者は一気に本塁まで駆け抜けてランニング3点本塁打となった。川合は、公式戦初打席初安打がそのまま初本塁打初打点ということになった。これを大きな自信にしていってほしいとも思う。
結局、この回に総合工科は7点で逆転。さらに、2回にも4四球と飛球失策などもあって、打者一巡で1安打ながら4点を追加。3回にも、佐藤 結緒の二塁打などで3点を追加。こうなってしまったら、元々力の差があることは否めないので、総合工科のワンサイドの展開になっていく。4回にも川越の会心の一塁線を破った二塁打などで6点を追加した。
そして、鎌田が3イニング投げたあと、2人目川村 祐真投手は1イニングを3人で抑え、さらに3番手として佐藤 鵬仁投手が、四死球こそ与えはしたものの、回転のいい、キレのある球を投げ込んで抑え込んだ。新2年生の投手だが、「能力としては、高いので期待している」という弘松監督。こうして、試合で投げていきながら成長していけば、頼もしい存在になっていきそうな素材である。
結果的には、総合工科としては、まずはコールドゲームで無難に勝ち上がったという結果だった。
都立産技高専は、部員数もぎりぎりという状況での戦いだったが、1番川上、2番斉藤礼啓あたりは、しっかりとバットも振れていたし、対応できていたのではないかという印象だった。いずれにしても、公式戦として試合をこなせたということは、よかったのではないだろうか。
(取材=手束 仁)