試合レポート

佼成学園vs都立国分寺

2022.10.09

佼成学園が攻守に充実ぶりを示して5回コールドで国分寺を退ける

佼成学園vs都立国分寺 | 高校野球ドットコム
三塁打2本を放った佼成学園・松本君

<秋季高校野球東京都大会:佼成学園12-1都立国分寺(5回コールド)>◇9日◇1回戦◇市営立川

 会場校でもある佼成学園は1次ブロック予選では、難敵の上野学園に先頭打者本塁打を浴びながらもコールド勝ちし、代表決定戦でも上水にコールド勝ちして進出してきた。一方、都立国分寺啓明学園都立足立西にいずれも1点差のサヨナラ勝ちと苦しい戦いを制しての進出である。都立国分寺としては、強豪の佼成学園にどこまで食い下がることができるのかというところだった。しかし、結果としては、佼成学園の攻撃を防ぎ切れなかった。

 佼成学園は初回、打者11人で6点を奪うビッグイニングをいきなり作った。立ち上がりやや制球に苦しんでいた都立国分寺の先発の青木 亮磨投手(2年)から、3四球などで1死満塁とすると、5番・内島 獅王外野手(1年)が中前打して先制。続く原島 響捕手(1年)も三塁線を破る二塁打でさらに2人が帰る。そして、7番・宮成 公稀外野手(2年)が中越え三塁打を放ち、さらに2点。なおも8番石井 碧海投手(2年)も中前打で三塁走者をかえして6点目となった。

 ここでたまらず、都立国分寺の加藤木 淳監督は青木を二塁へ回し、阿部 颯斗内野手(2年)と入れ替えた。阿部はこの回は何とか後続を抑えたが、3回にはつかまって、4番・松本 幸士外野手(2年)の2打席連続となる三塁打などで3点を追加。4回にも2番・澤井 瑠亜内野手(2年)が3人目として中堅手から代って登板していた左腕の唐亀 達也外野手(1年)から、右中間三塁打を放つなどしてさらに3点を奪った。

 都立国分寺は3回に8番・佃 匠捕手(2年)が中越え三塁打すると、続く唐亀が遊撃手の頭上を破る安打で1点を返していた。しかし、反撃もそこまでだった。佼成学園の左腕・石井を攻略しきれなかった。

 佼成学園の藤田 直毅監督は、「打線は、1次ブロック予選の後から、かなり打ち込みをしました。その成果は出てきているのではないかと思う」と、9月からの打撃力の成長を実感していた。特にチームとしては、「右打者は三塁ゴロ禁止、左打者は一塁ゴロ禁止」ということを徹底していて、逆方向へ素直にバットを出していくということをテーマとしていたというが、それが実戦の中でも示すことができているようでもある。その象徴だったのが、4番松本の2本の三塁打と言っていいであろうか。

 浦安シニア出身で、浦安の自宅から1時間半以上かけて通っているが、学校の成績もいいという。「東京六大学で活躍している先輩も多いので、自分もその舞台でプレーしたい」という思いも強い。そして、チーム内でもクリーンアップを打つ原島と主将の涌嶋 陽太内野手(2年)をライバルとして意識するなど、切磋琢磨しながら頑張っている。向上心も高く「自分が不動の4番でありたい」という強い思いも持っている。

 ただ、1失点に抑えたとはいえ、今日の石井に関して藤田監督は、「もう一つ内容はよくなかった。同じ打者に2度安打されるというのは、配球などを考えないといけない」と、都立国分寺の1番の野口 翔永内野手(2年)に2安打されたことを反省材料としていた。また、「こういう展開だったら、最後の回は3人でピシャリと抑えてほしいね」と、5回2死から連打されたことに関しても、やや不満だったということを示していた。

(記事=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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