二松学舎大附vs都立東大和南
二松学舎大附 5回コールド発進!5番・神谷 三塁打2本の活躍
1回二松学舎大学附・神谷虎之介 三塁打を放つ
<秋季高校野球東京都大会:二松学舎大附11-0都立東大和南(5回コールド)>◇8日◇1回戦◇都営駒沢
二松学舎大附は、2年続けて夏の甲子園大会に出場している。その分、新チームの始動は遅くなるわけだが、今回は1、2年生に甲子園経験者が多く、昨年の秋に比べ、「数段上です」と市原勝人監督は言う。実際、初戦の戦いでは都立東大和南を全く寄せ付けなかったが、この試合で目立ったのは、甲子園に出場できなかった選手たちであった。
二松学舎大附は背番号18の1年生・大内啓輔投手が先発。1回表を三者凡退に抑える。その裏、二松学舎大附は2死一、三塁から「初球から狙っていました」と語る5番・神谷虎之介外野手(1年)が右越え三塁打を放ち2人が生還する。さらに後続の2人が四球で満塁となり、8番・大内、9番・長野清弥内野手(1年)の連続内野安打でさらに2点を追加する。
都立東大和南の先発・田中孝志郎投手(2年)は初回に5点を失ったが、打撃で奮起した。4番打者でもある田中は、2回と4回の打席でともに中前安打を放っている。都立東大和南の安打は、この2本と3番・藤本剣志朗内野手(1年)の中前安打の3本だけで、より田中の活躍が光る。「真っ直ぐに絞って打ちました」と田中は言う。
しかし、この試合で打撃において一番目立っていたのは、二松学舎大附の5番・神谷であった。神谷は2回裏も走者2人を置いて三塁打を放っている。1年生の神谷はこの夏、東東京大会ではベンチ入りしていたが、甲子園ではメンバーから外れた。その悔しさを力に変えた、この試合の活躍であった。二松学舎大附には甲子園で既に注目された片井海斗内野手ら、注目の1年生がいる。片井の存在について神谷は、「刺激になります」という。4番・片井との勝負を避けても、5番にも強打者がいるというのは、相手校にとっては脅威になる。
二松学舎大附は、3回裏にも片井の中前適時打などで3点を追加。11対0の5回コールドで初戦に勝利し、強さを見せつけた。この試合で二松学舎大附は、投手の大内を含めスタメン9人のうち4人が背番号が2ケタで、背番号19の神谷をはじめ、そうした選手が活躍した。「とっかえひっかえ試合に出します」と市原監督は言う。チームとして怖いのは、現状に満足することだ。多くの選手を出場させることで、チーム全体に刺激を与える。またそうした起用ができる選手層の厚さが二松学舎大附にはある。二松学舎大附は2回戦で東亜学園と対戦する。
都立東大和南は、4回は三者凡退に抑えた。特に3人目となる9番・長野を三振に仕留めたフォークボールには、田中のエースとしての意地を感じた。
(記事=大島 裕史)