成田vs拓大紅陵
成田、エースの力投で16年ぶりの関東大会出場
齋藤 悠世(成田)
<第75回秋季千葉県高校野球大会:成田5-3拓大紅陵>◇1日◇準決勝◇千葉県
成田vs拓大紅陵の一戦。スコアも5対3と接戦で、投打ともにレベルが高い選手が揃い、見応えのある一戦だった。
2回表、成田は7番鈴木 晴仁内野手(1年)の犠飛、8番田中 凌久内野手(2年)の適時打で2点を先制。一方、拓大紅陵は2回裏、7番小嶺 羽琉内野手(2年)の適時打、9番竹内 界翔投手(1年)の犠飛で同点に追いつく。
しかし成田は5回表、2番新井 善之内野手(2年)のセーフティースクイズで1点勝ち越しに成功。さらに3番・加古 陽輝外野手(1年)の適時打で4対2。8回表にも鈴木の適時二塁打で5対2とした。強打者が揃うなか、2番新井のように小技ができる選手がいることで、攻撃の幅を広げている。新井は「クリーンアップは強打者が多いので、つなぐことを意識しています」と語る。また、新井は「ベンチに居る秋山(大地)は僕よりも守備が上手いショートなので、自分の役割をこなせなければ代えられる緊張感を持ってやっています」。成田は控え野手のレベルも高く、高い緊張感がいいパフォーマンスを生んでいるのだろう。
投げてはエースの齋藤 悠世投手(2年)が粘りの投球で3失点完投勝利。成田は16年ぶりの関東大会出場となった。
尾島監督が「前半は球離れが早くなっていたが、修正能力が高い投手」と高く評価する齊藤は、最速138キロの直球と、切れのあるスライダーを投げ分け、強打の拓大紅陵打線を抑え込んだ。絶好調ではなくても粘り強く抑えることができたのは大きな成長点だといえるだろう。
敗れた拓大紅陵にも、投打ともに好素材が多かった。エースの竹内は130キロ前半でも手元で切れる直球を投げ込んでいた。永嶋 七海内野手(2年)はマルチヒットを放つ活躍を見せた。ただ、和田監督は「ミスが多かった。成田さんの方が関東大会にいくに相応しい野球をしていました」と振り返った。
さらに攻守を突き詰めていけば、来春以降も頂点を狙えるチームになることは間違いない。
(取材=河嶋 宗一)