光英VERITASvs柏南
創部2年目の新星・光英VERITASが初戦突破 中学通算2本塁打だったスラッガーが3打点をマーク
ホームランを放った光英VERITAS3番・大堀優青
<秋季高校野球千葉県大会:光英VERITAS10-2柏南>◇17日◇1回戦◇県立柏の葉
2021年に前身の聖徳⼤学附属⼥⼦中学校・⾼等学校から、現校名で共学となった光英VERITAS。2021年の夏から公式戦に参戦し、2022年の秋から2年目に突入。この秋、初めて予選を突破して県大会出場となったが、初戦・柏南との一戦は10対2と打線が爆発した。
各選手のパフォーマンスを見ると、2年目のチームと思えない粒ぞろいのチームだ。市立松戸や船橋東などで県内上位進出を経験した指揮官・舘野監督をはじめとした指導者の賜物だろうが、3番に座って、この試合でホームランを放った大堀優青外野手(2年)は、その中の1人だ。
初回、1死三塁で迎えた第1打席は内野ゴロだったが、ランナーが生還して打点を記録。先制点をもたらすと、その後、5対2で迎えた5回の3打席目、2ボールからの3球目をたたいて左翼席へ運んだ。「反応で打ちましたが、少しバットの先っぽだったと思います」。完ぺきにとらえたわけではなかったが、公式戦初、自身通算10本目のホームランで追加点をもたらした。8回の第5打席には三塁打で、この試合3打点目を記録。結果2安打3打点、1本塁打の大暴れだった。
実は8月に開催された地区予選はケガにより離脱。敗者復活戦から合流したが、ここが転機だった。
「スタンドで試合を見ていて、『このままチームに戻ってもダメだ』と思いました。もっと高いレベルを目指して練習をしなければいけないと思ってからは、打撃練習の意識が変わりました」
それまではインパクトの瞬間だけ集中していたが、さらにバットのどこに当てて飛ばすのか。コースによる打ち分けやカット打法など、細かな部分まで意識を持つようにした。そのために打撃フォームも変えた。
「コーチからのアドバイスももらいながら、トップ時のバットのヘッドと体の軸が一直線になるようにしました。そのおかげで、バットを走らせてからミートできるようになり、ミート率だけではなく飛距離が変わりました」
ミートポイントまで最短距離で振り下ろすフォームから、レベルスイングに近いフォームに変わった。バットの出し方も変わるので、メディシンボールなどを活用して、スイングのフォームを固めるなどトレーニングも重ねた。すると、結果は出てくる。8月下旬ごろから着手したにもかかわらず、すでに2本のホームラン。そのうちの1本が、柏南戦で放った公式戦初のホームランだ。
船橋ボーイズ時代はケガにも苦しんだこともあり、通算2本塁打。満足いく活躍はできずに光英VERITASの門をたたいたが、スラッガーとしての能力を開花させつつある。
2回戦へ向けて「チームバッティングができるようにと思っていますが、あとは芯でしっかりととらえて満足いく打撃ができればと思います」と、あくまでより高みを目指す姿勢だ。2年目の新星・光英VERITASを引っ張るスラッガーに注目だ。
(取材=田中 裕毅)