試合レポート

未来沖縄vs那覇国際

2022.09.13

大健闘の那覇国際。あと一歩のところで金星逃す

未来沖縄vs那覇国際 | 高校野球ドットコム
依田 龍斗投手(未来沖縄)

<第151回九州地区高校野球大会沖縄県秋季大会:未来沖縄15-13那覇国際>◇10日◇1回戦◇コザしんきんスタジアム

 大方の予想は未来沖縄有利であっただろうが、どっこい。新チーム発足直後の那覇国際は元気いっぱい。昨年秋の大会2回戦で、14安打(4長打)をマークした那覇国際のスコアを振り返ってみよう。

那覇国際
001 052 000|9
400 010 25× |12
沖縄水産

 序盤リードされ、やっぱり沖縄水産かと思った直後の中盤で大量点を奪い逆転に成功。さらに6回にも追加点で沖縄水産を慌てさせた。それと似たような、いやそれ以上の凄みがこの試合の序盤を包み込み、未来沖縄ナインを浮き足立たせていた。

4回までに12安打9得点

 那覇国際は2回、四球と犠打で二塁へ進めると7番比嘉駿が逆らわずライトへ運び一、三塁。ここで8番屋富祖 壱心が、どっしりとした構えからバット一閃。左から右への強い横風を物ともせず左中間を破る適時三塁打。次打者が四球を選ぶと1番又吉 俊介が意表を突く技ありのバントヒットで三塁から屋富祖 壱心が生還し2点を先制した。

 波に乗った那覇国際打線は止まらない。3回、4番儀間 礼士が右翼手の頭を越える三塁打。次打者は三振も6番翁長 一朗が二塁への高いゴロと俊足で一塁セーフ。この間に三走がホームインした。圧巻だった4回は、ヒットと相手のエラーで1死一、三塁として、儀間 礼士が中前へ落とす適時打。

 さらに相手野手の悪送球も重なり2点目が入る。四球のあと翁長 一朗の中前適時打に、比嘉 駿の適時二塁打で4点目。代わった投手から屋富祖 壱心がセンターへ弾き返し何と5得点。この時点でヒット数は12本となり、ちょこんと当てた打球も振り切った打球も全て、相手野手の間を突き、那覇国際ベンチは喜びの顔であふれていた。が、しかし。野球は分からないし恐ろしい。

未来沖縄ナインの大逆襲

 ベンチで喝を入れられた未来沖縄ナインの尻に火がつく。4回裏だ。先頭打者が死球で出塁すると5番神谷 陽仁が派手な適時三塁打で狼煙を上げる。代打・金元 響が三遊間を破る適時打で2点目。なおもバントヒットと四球で満塁と、那覇国際バッテリーにプレッシャーを掛ける。「大事に1点1点だぞ」。大量リードされた展開では、早く埋めようと焦るな、とばかりにベンチから声が掛かる。

 1番島袋 太暉が左前へ、次打者が押し出し四球、3番砂川 将哉の2点適時打。打者一巡した4番比嘉 晏利が左中間を抜く適時二塁打。神谷陽仁の、このイニング2本目の適時打で11打者連続出塁。次打者の内野ゴロの間に1点と、12打者目でようやく1死を取った那覇国際ナインには、悪夢のような時間であった。未来沖縄はなおも2死二、三塁から、代打・崎濱 瑠衣が期待に応える中越えの2点適時二塁打。この裏の攻撃だけで打者16人、3本の長打を含む9安打12得点で一気に逆転した。

諦めず同点に追い付く那覇国際!貫禄で最後突き放す未来沖縄

 6回に1点を加えた未来沖縄。5回、6回と2イニングを完璧なピッチングで那覇国際打線を止めたエース依田 龍斗を一塁にまわし、投手を代えたとたんに那覇国際打線につかまってしまう。

 7回表、那覇国際はヒットと連続四死球で満塁とし、儀間礼士がこの日2本目の三塁打。たまらず依田 龍斗をマウンドへ向かわせたものの、下向井 航太の犠飛で13対13の同点に追い付いた。

 だが未来沖縄は8回、島袋 太暉が乱打戦に終止符を打つ2点適時三塁打を放ち15点目。8回、9回と三者凡退に斬った依田 龍斗のナイスピッチングが光ったが、チャンスを与えた2番手以降を争う投手陣の、まだまだ力及ばすという課題が収穫といったところ。9点差にめげず、自分達のバッティング、走塁ができた点は次戦以降でも心強いことだろう。

(取材=當山 雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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