秀明英光vs所沢北
秀明英光が試合後半の壮絶なシーソーゲームを物にし、勢いを持って4回戦へ!!
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<第104回全国高校野球選手権埼玉大会:秀明英光10-5所沢北>◇17日◇3回戦◇所沢航空公園
試合前半と後半でこれだけ展開が変わる試合も珍しい。
[stadium]所沢航空公園球場[/stadium]の第22試合は、秀明英光と所沢北との一戦である。
先発は所沢北がエース小澤 誠治(3年)、一方の秀明英光は2年生・小島慶也が先発し試合が始まる。
先制したのは秀明英光であった。
秀明英光は初回、所沢北・小澤の立ち上がりを攻め、1死後、2番・鈴木 智也(1年)が右前安打を放ち出塁すると、続く清水 眞央(3年)も左前安打を放ち1死一、二塁とする。さらに4番・山崎 寛悠(2年)も四球を選び1死満塁とすると、2死後6番・高島 虎徹(3年)も押し出しの四球を選び1点を先制する。
序盤こそ、やや制球が定まらなかった所沢北・小澤であるが、3回以降はほぼ自分の思った所に投球できるようになり、5回まで秀明英光打線に対し1失点で切り抜ける。
一方の秀明英光・小島も安定した投球で無失点で切り抜け、1対0のまま前半戦を終える。
迎えた6回表、試合が一気に動き始める。
所沢北は、6回表1死から1番・長野 颯太(2年)が四球を選ぶとすぐに二盗を決める。2死後、3番・夏原 由成(2年)も四球を選び2死一、三塁で4番・峯川 晴旭(3年)を迎える。峯川は期待に応え、右越えの2点適時二塁打を放ち逆転に成功する。
一方の秀明英光もその裏、すぐに反撃を開始する。この回先頭の高島が中前安打を放ち出塁すると、続く飯塚 蓮(1年)の犠打が相手エラーを誘い無死一、二塁とする。さらに8番・小島がきっちりと送り1死二、三塁とすると、続く小倉 凛瞳(3年)のところで秀明英光ベンチは2ランスクイズを仕掛ける。これが見事に決まり3対2と再逆転に成功する。
再逆転を許した所沢北も7回表、この回先頭の岩田 一寿(3年)が中前安打を放ち出塁すると、続く澤田 龍之介(3年)のところで今度は所沢北ベンチがエンドランを仕掛ける。これに澤田が応え右前安打を放ち無死一、二塁とする。さらに7番・高橋 浩也(2年)がきっちりと送り1死二、三塁とすると、続く小澤が右越えの2点適時二塁打を放ち小島をマウンドから引き摺り下ろす。代わった秀明英光の2番手、エース左腕・大石 晃司(2年)に対しても攻撃の手を緩めず、2死三塁から1番・長野が適時内野安打を放ち5対3と一気に再々逆転に成功する。
だが、秀明英光もその裏、この回先頭の清水が右越えの三塁打を放つと、所沢北ベンチはエース小澤から2番手・中窪快(3年)へスイッチする。
だが、これが誤算であった。
秀明英光は、所沢北・中窪の立ち上がりを攻め、無死三塁から4番・山崎が右線へ適時二塁打を放ちまず1点、さらに続く久保田 大輝(2年)が左前安打を放つと、すぐさま二盗を決め無死二、三塁とチャンスを広げる。ここで暴投により5対5の同点とする。
迎えた8回裏、秀明英光はこの回先頭の小倉が四球を選び出塁すると、すぐに二盗を決め無死二塁とする。さらに続く松本の送りバントに対し処理を焦り一塁へ悪送球を放りまず1点、2死後、3番・清水の飛球を左翼手が落球し2死二塁とすると、続く山崎が右中間へ適時二塁打を放つと、5番・久保田も中前適時打を放ち3点差をつける。
秀明英光の攻撃はこれでは終わらず、6番・高島が中前安打を放ち2死一、二塁とし、所沢北・中窪をマウンドから引き摺り下ろす。代わった3番手・澤田に対し、続く飯塚が四球を選び2死満塁とすると、8番・大石が中前2点適時打を放つ。
結局この回一挙5点を奪うビッグイニングを作った秀明英光が10対5で粘る所沢北を振り切り4回戦へ進出した。
まずは所沢北だが、中盤までは所沢北ペースであった。本来もう少し球が散るタイプのエース小澤は3回以降制球が安定し良く投げていた。この日の中窪は確かに誤算であったが、元々継投をするのがパターンであり、致し方ない部分もある。ただ、悔やむべくはむしろ、落球やバント処理のミスなどが失点に絡んでしまったところか。また、継投タイミングも、小澤はこの日良かっただけにもう少し長く投げたかったであろう。幸いスタメンに2年生が半数を占めるだけに秋以降の反撃に期待したい。
一方の秀明英光は、やや継投が遅れ7回までは苦しい展開であったが、昨夏ベスト16の経験者である清水、山崎の活躍もあり、すぐに追いつくと8回所沢北投手陣に集中打を浴びせ一気に突き放し、結果的に一番良い状態で明日の試合に臨める。投手陣としては雨の影響で連戦になり長いイニングを投げられない投手も出てくるが、元々5人いるという豊富な投手陣の中で誰が登板するのか楽しみな所だ。
(取材=南 英博)