修徳vs都立雪谷
22年度の都立屈指の本格派右腕が修徳相手に力投 敗戦投手も手応えつかむ
帝京・高橋蒼人
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<第104回全国高校野球選手権東東京大会:修徳4-3都立雪谷>◇17日◇3回戦◇神宮
修徳vs都立雪谷の一戦。スラッガー・佐藤大空外野手(3年)を中心に攻撃力の高い野手がそろう修徳に対し、都立雪谷の145キロ右腕・渡邊 顕人投手がどこまで通用するか注目された。
渡邊は春先と比べると、直球の制球力は向上し、ボール先行になることも少なく、スライダー、カットボール、スプリットはいずれも低めに決まり、高確率で空振りを奪えるようになった。直球、変化球どちらでもストライクが取れて、追い込んだ時のスライダーは特に切れていた。「去年から通用していた球種で、1年間かけて磨いてきた球種なので、積極的に使いました」と修徳打線を封じていた。
修徳打線の中心である佐藤は「ストレートの威力はもちろんですが、しっかりインコースに投げられるという点では、良い投手だと思っています。厄介だったのはチェンジアップ系の変化球。去年なかったですが、緩急差でストレートが余計に速く感じましたし、ゾーンに決まって空振りも取れるので。これがあったからストレートが来ているとも感じました」と渡邊の良さを語った。
春季大会の東亜学園戦では不本意な投球に終わり、初戦敗退。そこで考えたのが投球時、何も考えないで思い切り腕を振ることであった。
「開き直って思い切りよく腕を振ったら、良い感覚で投げることができて、調子の波も小さくなりました。マウンドに入るまではどう投げるのか、配球を考えて、マウンドではとにかく腕を振ることを意識しました」
修徳戦でのピッチングはピンチの場面でも投げ急がずに、しっかりと腕が振れていた。ここぞという場面の外角低めの直球や、膝元に落ちるスライダーはそういう心境があったからこそだろう。7回裏に2点を勝ち越され、計4失点してしまうが、7三振を奪い、自分の投球スタイルはしっかりと表現ができた。
敗れはしたが、持ち味をしっかりと発揮することができた。元プロの伊達監督は、「この1年で調子悪い日でも踏ん張って投げられるようになった。心の部分が一番成長したと思います」と調子が悪い中でも試合を作れるようになった精神力の成長を評価。その点、渡邊も「この1年で、調子の悪い試合でも上下することなく、仲間の信頼や自信、特にここ一番でストレートで押せるようになったことで、心の粘りができたと思います」とメンタル面の成長が大きかったと振り返る。
進路の面が注目されるが、これからも練習してレベルアップすると語った渡邊。都立でこれほどスケールが大きく、技術的にも、精神的にもしっかりした大型投手はなかなかいない。近い将来、大学、社会人、そしてプロで都立の星として騒がれる投手になるかもしれない。
(記事=河嶋 宗一)