都立城東vs日本ウェルネス東京
東東京の都立の雄・都立城東がサヨナラ 磨いた打力が土壇場で発揮
サヨナラ勝ちに歓喜する都立城東
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<第104回全国高校野球選手権東東京大会:都立城東8-7日本ウェルネス>◇17日◇3回戦◇神宮
あとアウト1つで夏が終わるところから同点、そしてサヨナラ勝ちと劇的な形で終盤の攻防を制した都立城東が4回戦進出を決めた。試合後には涙を流す選手たちの姿もあり、苦しい初戦だったことは十分伺い知れる。それだけに「(今後に)乗れるんじゃないでしょうか」と指揮官・内田監督は、4回戦以降に勢いづくことを期待していた。
ヒット12本、8得点で打ち合いを制し、勢いに乗るには十分な打撃内容。1安打、1打点を記録した主砲・佐久間 飛向外野手(3年)を筆頭に、都立城東全員がしっかりスイングできているのが印象強く残った。
ここについて内田監督は、「校庭が狭いですが、バットを振ることはできますので、それだけはやってきました」と練習量の賜物だと説明する。
都立城東は陸上部をはじめとした他部活との共用のため、使える広さには制限がある。そのため、他の学校では当たり前のように行われるフリー打撃は、「大会前や冬場の期間くらいかもしれないです」とシーズン中に行うことはほとんどないと高垣 学捕手(3年)は話す。
それでも置きティーの活用や、コースを分けて手投げのティーを打つなど、可能な練習を最大限こなして、「チームメイトを見ても成長してきた」と手ごたえは十分ある。やれることが限られていた環境だからこそ、迷うことなく振り続けることができたと考えても良いだろう。
だから、「ノルマは設けていません」と1日のスイング量を決めているわけではないと高垣は話していたが、甲子園で勝つという目標をかなえるため、激戦区・東東京で結果を残すためには、自然とバットを振る数も増えるはずだ。その結果が、この試合で出たといっていい。
再び甲子園の舞台へ。そして聖地での1勝を。東東京が誇る都立の雄が4回戦以降も磨き続けた打力で、ライバルたちの壁を打ち砕いていく。
試合は8回終わって5対5の同点。中盤に追加点を加えて都立城東が主導権を握ったが、日本ウェルネス東京から8回に4点奪う反撃にあう。そして9回には途中出場の萩 隼人(3年)の一打などで5対7のビハインド。都立城東は追いつめられる展開に回ったが、2死からチャンスを作り、代打・高野 丈治(3年)の一打で同点。そして最後は相手の守備の乱れでサヨナラとなった。
双子の逸材に190センチの長身投手 日本ウェルネスは新チームも要注目
ガッツポーズする日本ウェルネス3番・神﨑 順
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シード校・都立城東をあと少しというところまで苦しめた日本ウェルネス東京。それだけにこの敗戦を通じて「野球の怖さ、そして面白さがわかったと思います」と目に光るものを見せながら指揮官・磯口監督は試合後の取材で語った。
それは、監督はもちろん、選手たちも痛いほどわかっただろう。新チームは悔しさを胸に、さらに強いチームを作るだろうが、それを確信したくなる2年生選手たちが多かった。
その筆頭となりそうなのが、1番・神﨑 翔と3番・神﨑 順の双子コンビだ。
1番に入った神﨑 翔は、この試合で4打数2安打。切り込み隊長としてふさわしい活躍ぶり。タイミングの取り方が上手く、軸回転で思い切りよくスイングができているため、球に対して強烈なインパクトで、快音を響かせていた。
捕手としてはイニング間の二塁送球は2秒前後と、まだまだ伸びしろを残している。強打の捕手として2023年の東東京を引っ張れるような存在まで成長してほしいところだ。
もう1人の3番・神﨑 順はこの試合、5打数2安打という結果。ただ1打席目はセンターフライで凡退した際はバットに球を乗せて上手く捉えるなど、内容は結果以上に良かったのではないか。
すり足気味でタイミングを測って目線のズレを小さくすると、手元まで引き付けてはじき返していく。守備で見せる軽快な動き、柔らかいスローイングと身体能力の高さを感じさせる選手だった。
この他にも、最後にマウンドに上がっていた辻口 輝投手(2年)も身長190センチとすらりとした長身で角度のある投球を見せていた。その辻口は「今日の試合で悔しい思いをしたので、来年の夏はストレートを磨いて勝てるようにしたい」と既に視線は前を向いていた。
まずは秋のブロック予選。日本ウェルネス東京がどんなチームに仕上がるのか楽しみにしたい。
(取材=田中 裕毅)