昌平vs春日部共栄
2回戦屈指の好カードは昌平が春日部共栄を破り3回戦進出!
<第104回全国高校野球選手権埼玉大会:昌平6-1春日部共栄>◇12日◇2回戦◇[stadium]県営大宮[/stadium]
2回戦屈指の好カード、昌平対春日部共栄。新人戦での対戦では昌平が勝利しているが、チーム結成時からかなり時間が経過している。今回はどうか。
昌平は今春はコロナ感染により地区予選で不戦敗だったため、昨秋以来となるが、メンバーは大幅に変更している。秋3番の大園陽大(3年)、秋4番の相澤雄大(3年)がそれぞれ1、2番に上がり、秋2番の小林飛雄馬(2年)が3番に、4番には秋6番であった松浦玄樹(3年)が入る。5番には秋7番の金子晄也(2年)が上がり、秋5番の22107(3年)は捕手から一塁手へコンバートされ6番に下がる。そして7番捕手には2年生の齋藤陽貴が、8番には松原翔大(3年)が入る。
一方の春日部共栄も秋5番の島崎凌空(3年)が1番に上がり、2番には平間仁道(3年)が入る。秋7番の伊藤悠哉(2年)が5番に上がり、6番には小田部輝(2年)が、秋6番の藤田大河(3年)が7番に下がり、8番には篠田椋助(3年)が入る。
先発は昌平が新人戦時に好投した背番号17の渋谷真宜(3年)、一方の春日部共栄はエース広瀬凛人(3年)が登板し試合が始まる。
先制したのは春日部共栄であった。
初回、春日部共栄は昌平・渋谷の立ち上がりを攻め、1死から2番・平間が三塁線を破るヒットを放ち出塁すると、続く山口叶翔(3年)も右翼線への二塁打を放ち、1死二、三塁とする。ここで4番・吉村颯(3年)の内野ゴロの間に幸先良く1点を先制する。
一方の昌平もすぐに反撃を開始する。2回表、1死から6番・佐藤が左中間への三塁打を放ち出塁すると、続く齋藤がきっちりと犠飛を放ちすぐに1対1の同点とする。
同点とされた春日部共栄は4回裏、絶好の勝ち越し機を迎える。この回先頭の山口、続く吉村の内野ゴロが相手エラーを誘い無死一、二塁とするが、5番・伊藤はバントで送れず三振に倒れると、後続も倒れ無得点に終わる。
その後、両校凌ぎ合いの中、次の1点が試合の流れを大きく左右する展開となる。迎えた6回表、均衡を破ったのは昌平であった。
この回先頭の松浦が中前安打を放ち出塁すると、続く金子がきっちりと送り1死二塁とする。ここで6番・佐藤が左前適時打を放ち次の1点が昌平に入る。
これで流れをつかんだ昌平はさらに続く齋藤も中前適時打を放ち3対1とすると、8番・松原も右前安打を放ち1死一、二塁とし春日部共栄・広瀬をマウンドから引き摺り下ろす。代わった2番手・田村奨梧(3年)に対しても攻撃の手を緩めず、代わり端を攻め、続く渋谷がきっちりと送り2死二、三塁とする。
春日部共栄ベンチは1番・大薗に対し申告敬遠をし、2死満塁とすることを選択するが、田村は続く相澤も押し出しで歩かせると、3番・小林飛にも右前2点適時打を浴びるなど結局、この回一挙5点を失い、1対6とされ試合の大勢は決した。
投げては昌平・渋谷がこの日は変化球中心で組み立て、相手に的を絞らせず、7回被安打2無四球1失点、8回からマウンドに上がったエース川島新大(3年)もきっちりと無失点で抑える。
2回戦屈指の好カードは昌平が6対1で春日部共栄を下し3回戦へ進出した。
まずは春日部共栄だが、先発の広瀬はこの日良く投げた。過去一番の出来だったそうだ。だが、頼みの打線がこの日は2安打に抑え込まれた。4回裏の絶好機を逃すと、その後もズルズルと行ってしまい、昌平・渋谷の変化球攻めに苦しみ、攻略することができなかった。幸い1,2年生に良い選手が揃っているそうなので秋以降の巻き返しに期待したい。
一方の昌平は川島、渋谷のMAX140km右腕2人に、左腕・川久保匠(3年)といる投手陣は万全の状態だ。それに加えチームの頭脳齋藤もいる。前の試合で直球を捉えていた春日部共栄打線を見て、この日は変化球中心の組み立てにしようと決めたそうだ。打線も昨秋に比べるとフルスイングをする選手が増え、チーム編成もそういう選手を選んでいる。夏はバッティングということなのだろう。3失策をしたが、10安打を放ち打ち勝った。このブロックは最激戦区であるため予断は許さないが、投手陣が豊富なだけに決勝進出も見据えられる布陣だ。上位進出の鍵は守備面になるであろう。
(取材=南 英博)