八王子vs都立東村山西
八王子、星野・片山のW二刀流の活躍で都立東村山西を圧倒
<第104回全国高校野球選手権西東京大会:八王子12−2東村山西>◇11日◇2回戦◇[stadium]スリーボンドスタジアム八王子[/stadium]
八王子の安藤 徳明監督は、この日の先発投手をギリギリまで選手には伝えなかった。「夏は継投、継投は当たり前ですから」と安藤監督。早く伝えることで、今日は登板がないと思う選手が出ないようにするためだ。逆に言えば、それだけの投手の駒が揃っていることでもある。ただ問題は、そのコンディションだ。
都立東村山西はエースの池本 秀太、八王子は背番号9ながら、秋も投げている片山 悠真が先発した。
1回裏八王子は2死一、三塁から5番・片山の左前安打で1点を先制。続く6番・堀 翔太、7番・保 光貴の連続二塁打でさらに3点を追加した。
しかし八王子の先発・片山は球が高めに浮き、2回表東村山西の5番・菊川 恭吾に左前安打を打たれると、6番・池本には四球、さらに「打撃が好調で打順を9番から7番に上げました」と石田 幹雄監督が言う堀江 翔智がレフトの頭を越える二塁打を放ち、東村山西が2点を返した。秋までの片山なら、このまま崩れてもおかしくない場面であったが、「夏に向けてしっかり下半身を鍛えました」と言う片山は、3回以降は立ち直った。
八王子は、3回裏は主将の市橋 優大の三塁打に続き、この試合は右翼手で出場している4番の星野 翔太の二塁打、5番・片山の右前安打で2点を追加する。4回裏は相手投手の制球の乱れもあり一挙に5点を追加する。
すると5回表に八王子は、エースの星野をマウンドに上げる。秋、春と不本意な投球が続いた星野だが、体の開きに気を付けてフォームを修正するなどし、立ち直ったようだ。打者2人に投げただけだが、三振と左飛に抑えた。最後は左腕の安井 勇有心を投入。変則で打ちにくそうな投手の安井に夏のマウンドを経験させた。
5回裏八王子は途中出場の田中 祐翔がスクイズを決め、12―2、5回コールドが成立した。
東村山西の石田監督は4月に就任したばかり。このチームの印象を、「3年生がしっかりやっている」と語る。結局は5回コールドになったが、強豪相手に2回の攻撃では意地もみせた。指導経験が豊富な石田監督の下、新チームになってからの戦いも期待したい。
一方、八王子は、秋、春と力を出せなかった星野、片山が調子を上げている。2人は投打両面で競い合い、実力を上げている。他にも主将の市橋ら力のある選手が多く、本来の力を発揮すれば、優勝争いに加わる力があるだけに、今後の戦いが注目だ。
(取材=大島 裕史)