試合レポート

白石vs涌谷

2022.07.08

古豪・白石が毎回得点でコールド発進!

 <第104回全国高校野球選手権宮城大会:白石9-2桶谷>◇8日◇1回戦◇仙台市民

 仙台市民球場での初日、最後に登場したのは涌谷白石。1953年に甲子園に出場した古豪・白石に、部員13人で戦う涌谷が挑んだこの試合は、序盤から荒れ模様となる。

 初回、白石のエース平間真太郎(3年)は立ち上がりに苦しむ。1死から四球と安打でピンチを迎えると、味方の失策と自らの暴投で2点を先制された。一方、涌谷のエース本吉謙汰朗(3年)も初回いきなり連続四球で得点圏に走者を置くと、4番・伊藤大貴(3年)に中前適時打を浴び1点を返される。2回には3失策が響き、白石に逆転を許した。

 白石は3回に佐々木元弥(2年)の適時打、4回に佐藤龍之介(3年)の適時二塁打、小林慧(2年)の適時三塁打が飛び出すなどし、着実にリードを広げた。打線の援護を受けた平間は2回以降立ち直り、2回から5回は直球主体の組み立てで1安打7奪三振無失点と好投。中盤で主導権を握った白石はそのまま逃げ切り、7回コールドで初戦を突破した。

 この試合で最も存在感が際立ったのは、白石の主将・木戸浦芳太(3年)。平間が投げるたびに「よっしゃー!」「いいね!」と声を出し、チームの雰囲気が暗くなりかけた時には、「声足んないよ!声!」と仲間を鼓舞した。プレー面でも、「1番・三塁」でスタメン出場し、打線をけん引。5回に内野安打を放つなど4度出塁し、打線の毎回得点に貢献した。6回途中からはマウンドに上がり、サイドスローから気迫あふれる投球を披露。打者6人を完璧に抑え、試合を締めくくった。

 敗れた涌谷はエース本吉の力投が光った。8失策と味方の守備が乱れたこともあり9失点を喫したが、完全に捉えられた当たりは少なく、鋭い変化球で三振を奪う場面も見られた。帽子を落としながら全力投球する姿はエースそのもので、誇るべき136球だった。

 白石は2回戦で仙台高専名取と激突する。木戸浦率いる白石がどこまで上り詰めるか、注目だ。

(取材=川浪 康太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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