都立紅葉川vs都立目黒
攻撃野球を掲げる紅葉川が、いきなり長打攻勢で主導権を握りコールド勝ち
先制三塁打を放った紅葉川・松本
江戸川区の臨海にある紅葉川は、江戸川区球場からは自転車で10分程度のところにある。いわば地元中の地元と言っていい存在である。
「じゃんけんで勝ったとしても先攻を取るつもりでいた」という紅葉川。結果としてはじゃんけんで負けての先攻だったが、頭から点を取っていこうという攻撃野球は、思惑通りの展開でスタートした。
初回、先頭の片桐が四球で出るとすかさず盗塁。1死後、松本の右翼線三塁打で先制。さらに4番田内が中前へバチーンとはじき返す中前打で2点目。続く佐藤 陽斗も右越え三塁打。これで目黒の加藤 晴彦監督は、早くも先発大澤を内野に下げて、外野から鈴木 大和をマウンドに立たせ、守備陣が大幅に動く。しかし、紅葉川はさらに津川の右犠飛でこの回4点。2回にも「本来はクリーンアップを打つ打者」という増子が調子を落として8番に入っていたが、左翼へソロを放ち復調の兆しを示す1発でなおも勢いづくと、続く小川も中前打。目黒はここで早くも3人目として三塁手の原が投げることになった。ベンチ入り13人とコマの少ない目黒は野手で回していくことにならざるを得ない。
紅葉川は暴投でさらに1点を加えて、2回の段階で6点差の大量リードは、まさに高橋 勇士監督の思惑通りの戦い方となった。
目黒は4回に2死から、鈴木大和の二塁打と続く8番宇佐美の中前打で1点を返すものの、結果的にはその1点のみということになってしまった。
紅葉川は6回にも敵失から好機を得て片桐の右前打で1点を追加する。そして7回には打線が一気に爆発して、園山監督としては、クリーンアップを打ってほしいと願っている7番島津の中越え三塁打などで打者11人、4安打に四球に2つの失策もあって大量7点を奪った。その裏を右翼からリリーフした佐藤陽斗が1安打されつつも0に抑えてコールドゲームとなった。
紅葉川の高橋監督は、「初戦なので、ちょっと不安もありました。だけど、攻撃野球としての姿勢は8割方できたのではないかと思う。試合の入りの勢いで相手を圧倒していくという姿勢でした。守りに関しても、自分の見立てとしては安打されても、点を取られなければと思っていた。取られたら取れた分を取ればいいとも思っていたけれども、松本はよくまとめてくれた」と振り返った。それに、馴染んでいる[stadium]江戸川球場[/stadium]での初戦となったということに関しては、「やはりラッキーでした」という思いでもあったようだ。
安打数では、6回までは上回っており最終的にも紅葉川の11本に対して目黒は9本。ほぼ互角だった目黒。その割には、スコアは開き過ぎという印象でもある。加藤春彦監督は、「予選2試合でも点は取っているので、取り合いになるかなと想定していましたが…。本当は、ロースコアの試合をしていきたいんですけれども。安打は出ても、繋いでいかないと…」と、予想以上の得点差になってしまった様子だった。
現在、全員で13人とマネジャー2人という陣容。新入生は「10人程度は入ってくれそうかな」ということで、夏へ向けて挑んでいく心積もりである。
(取材=手束 仁)