浦和学院vs東海大菅生

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目次
・投手王国・浦和学院、エース宮城筆頭に仕上がり上々！強力な東海大菅生打線を2失点に抑える
・浦和学院の二刀流も最速142キロをマーク！野手にも台頭する選手が
・春はエース右腕不在の東海大菅生　浦和学院相手に技巧派左腕が試合作る
・東海大菅生にも楽しみな190センチの剛腕2年が！浦和学院相手に3回4奪三振！

トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ

先発・宮城誇南（浦和学院）

　3月10日、センバツ出場の浦和学院（埼玉）は西東京の名門・東海大菅生と対戦した。対外試合解禁から練習試合を多く積んでおり、ベンチ入り競争も激しい。この試合はベストメンバーで臨み、緊張感があった。

　先発マウンドに登ったのは左のエース・宮城 誇南投手（3年）だ。良い意味で淡々としており、立ち上がりから3イニング連続で安打を許すが、走者を出しても冷静さを失うことなく、直球、変化球をストライクゾーンに投げ込んだ。

　制球力重視でも、コンスタントに135キロ前後を投げた。最速は142キロをマークして、仕上がりの良さをアピール。森大監督も「だいぶ良くなっている」と仕上がりの良さを評価した。3回表には東海大菅生の4番・小池 祐吏内野手（3年）に、左中間を破る2点適時二塁打を打たれるが、大崩れせず、投げきった。宮城は5回まで投げて2失点の力投。力感がない投球フォームでも力のあるストレートを投げられるのは素晴らしい。

　宮城は「自分は力感がない投球フォームで140キロ台の直球を投げられるかにこだわっています。それは少しずつできるようになってきています」と手応えを感じている。これまでの紅白戦や練習試合でも思うような投球ができずにいたが、「ブルペンとマウンドではどうしても感覚が違うので、それがようやく合ってきた」と修正に成功した。エースの投球に、森大監督も「直球がだいぶ力強くなってきました」と投球内容を評価していた。

　浦和学院はベンチ入り争いが激しく、特に投手陣は熾烈。6回からは右の本格派・野口 拓夢投手（3年）が登板した。2月の取材時でもブルペン投球を見たが、綺麗な投球フォームから伸びのある直球を投げる印象を持っていたが、実戦でも持ち味を発揮。常時130キロ前半（最速133キロ）と、突出して速くないが、球速表示以上を感じさせる質の良い直球を投げ込んでいた。走者を背負いながらも、2回無失点に抑える好リリーフ。着々とゲームメイクができる。

　ほぼ狙い通りにコントロールできるので、配球する高山 維月捕手（3年）がどう持ち味を引き出すかにかかっている。

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・投手王国・浦和学院、エース宮城筆頭に仕上がり上々！強力な東海大菅生打線を2失点に抑える
・浦和学院の二刀流も最速142キロをマーク！野手にも台頭する選手が
・春はエース右腕不在の東海大菅生　浦和学院相手に技巧派左腕が試合作る
・東海大菅生にも楽しみな190センチの剛腕2年が！浦和学院相手に3回4奪三振！

トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ

金田優太（浦和学院）

　8回からは遊撃手を兼ねる金田 優太投手（3年）が登板。右スリークォーター気味から投げ込む直球は常時135キロ前後で、最速142キロをマーク。力強い腕の振りから繰り出す直球は力強く、スライダーの切れも良い。

　ただ、金田については本人も「守備と肩の強さには自信がある」と2月の練習取材で口にしていたように、遊撃手の守備では光るプレーを見せた。打球を処理してから一塁までの送球は、まさに強肩遊撃手と表現できるもので、間一髪でアウトにしなければならないプレーについてはすぐに持ち替えて、全力投球をしたり、三遊間の深い位置については、ノーバウンドを狙って高い軌道で投げるのではなく、ワンバウンド送球にしてアウトを狙う判断能力の高さも光った。

　打撃では第1打席に内角直球を引っ張って痛烈な二塁打にしたり、3回裏には同点に追いつく犠飛を放つなど、野手としてのパフォーマンスや貢献度はNo.1。今年のキーマンといっていい存在だ。

　金田以外の野手では、大勝 朱恩内野手（3年）の成長が著しい。1番二塁でスタメン出場すると、3回裏無死一塁から右翼線を破る長打を放ち、打点を挙げた。森監督も大勝の成長は認めていた。

　大内 碧真内野手（3年）は、昨年秋は二塁でスタメン出場していたが、遊撃手の金田が投手として登板する時は、遊撃手として起用され、安定感のある守備を見せている。

　巧みなグラブさばきと強肩を披露した八谷 晟歩内野手（3年）も守備力は一級品。また、右打者では2番・伊丹 一博外野手（3年）も安定した守備と強打が光っていた。

　勝負どころで打線が奮起すれば、センバツでもかなり期待できるはずだ。

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・ベスト8以上の組み合わせ

青栁琉汰（東海大菅生）

　センバツ出場の浦和学院と練習試合を行った、昨秋都大会ベスト8で敗れた東海大菅生。若林監督は「夏の経験者が多いチーム。もっと勝ち進まないといけない」と語るように、正捕手で主将の福原聖矢選手（3年）、強打の大型三塁手・小池祐吏内野手（3年）など夏の経験者は多く、この代の潜在能力の高さを高く評価している。

　先制点を挙げたのは東海大菅生だった。浦和学院の好左腕・宮城誇南投手（3年）相手にもしっかりと結果を残した。3回表2死から4番小池が左中間を破る適時二塁打で2点を先制。続く5番・鈴木悠平外野手（3年）が右前安打。右翼手の好返球に阻まれ3点目を阻止されたが、4番・小池と5番・鈴木の対応力や長打力は他の東海大菅生の野手陣と比べても頭一つ抜けている。

　東海大菅生の守備力も一級品だ。外野手は全員が肩が強く、また内野守備も鍛えられている。5回裏1死一、三塁のピンチの場面の挟殺プレーで、三塁走者を刺したプレーは日々の守備練習が生きているのだろう。ただところどころで判断ミスがあり、勿体ないプレーがあったのが気になった。

　東海大菅生の春までの課題は、投手陣の成長だろう。エース右腕の鈴木泰成投手（3年）は右肘を手術した影響で、この春はリハビリ中。夏に全快投球できるよう目指している。鈴木以外の投手陣の底上げが重要となるが、多くの投手が好投を見せた。

　先発したのは青柳琉汰投手（3年）。左スリークォーター気味のフォームから繰り出す直球は常時120キロ後半〜130キロ前半だが、淡々と投球を組み立てる。120キロ中盤のスライダーの切れ味も素晴らしく、高確率で空振りを奪うことができる。2点を失ったが、公式戦でも活躍を期待される投手だ。

　4回裏には、 島袋 俐輝投手（2年）が登板。しなやかな腕の振りから繰り出す120キロ後半の速球と鋭く曲がるスライダーを武器に、2回無失点の好投。まだ球速面はこれからだが、センスの良さが目につく。

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・投手王国・浦和学院、エース宮城筆頭に仕上がり上々！強力な東海大菅生打線を2失点に抑える
・浦和学院の二刀流も最速142キロをマーク！野手にも台頭する選手が
・春はエース右腕不在の東海大菅生　浦和学院相手に技巧派左腕が試合作る
・東海大菅生にも楽しみな190センチの剛腕2年が！浦和学院相手に3回4奪三振！

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・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ

日當直喜（東海大菅生）

　最もインパクトのある投球を見せたのが、190センチ右腕・日當直喜投手（2年）だ。マウンドに立てば、体の大きさが目につく。真っ向から振り下ろす直球は常時130キロ中盤〜140キロで、140キロは2球計測した。それ以上に素晴らしかったのが変化球の精度の高さ。縦に大きく割れる110キロ前後のカーブと120キロ前後のスライダーに加え、フォークが素晴らしかった。120キロ後半のスピードで打者の手元で急激に落ちる。右打者だけではなく、左打者にも使えるため、打者からすれば厄介な球筋だ。

　インパクトは十分だった。軟式のクラブチーム・鐘ケ淵イーグルス出身で、若林監督は「体が強いのが魅力的ですが、まだ野球について覚えることがたくさんある。まだまだです」と厳しく接して育てていくつもりだ。3月に取材した時、連係プレーについて必死に覚えている姿があった。投手として必要な知識を身に着け、これからの練習試合で安定して結果を残せば、かなり活躍が期待できるのではないだろうか。

　9回裏には中堅手・藤井颯太外野手（3年）が登板。藤井は、テイ・エステックでプレーする藤井翔投手（東海大菅生出身）の弟で、140キロ後半の速球が投げられる兄と同じく弟も身体能力が抜群で、中堅からのバックホームはいつもダイレクト返球。ものすごい球を投げていた。

　マウンドに登ると、最速133キロの直球と縦に鋭く曲がるスライダーを織り交ぜ、無失点に抑える。夏場になれば、もっと球速が上がる予感をさせてくれた。試合は2対2の引き分けとなり、東海大菅生の選手たちは各自で練習を行っていたが、藤井はブルペンで黙々と投球練習を行っていた。器用な選手で、このまま実戦力、球の出力を高めていけば、もっと出番が訪れると考える。

　 チーム力の高さは全国レベルだろう。これからも全国レベルの学校との練習試合が予定されており、激しい競争を経て、ベンチ入りする選手はどの選手になるのか。

　都大会初戦の東海大菅生の戦いに注目が集まる。

（記事：河嶋 宗一）