帝京vs駒場学園

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帝京・高橋蒼人

　1回戦は都立片倉を８－５で破り、打撃好調の駒場学園に、帝京の好投手・高橋蒼人が立ちはだかった試合になった。

　駒場学園の先発はエースの左腕・佐藤夏月。1回裏二死後、帝京の3番・戸田和人の内野安打と、4番・渡邊礼のライトオーバーの二塁打で1点を失ったものの、この試合では、野手の好守も含め、粘りの投球が光った。

　2回裏はこの回先頭の徳永旺典に二塁打を打たれたが、遊撃手の好守もあり、この回は得点を与えない。しかし3回裏は失策から1点を失った。それでも、5回が終わって、２－０。駒場学園の健闘が目立つ展開になった。「相手の投手が良かったです。焦ることなく戦えました」と、帝京の金田優哉監督は言う。

　帝京の戦いに安定感をもたらしたのは、エース・高橋蒼人の好投だ。1回表に3番・深井優滋に、3回表に8番の福井悠太に安打を打たれた以外は、駒場学園打線を完全に抑えた。駒場学園の先発・佐藤も、相手の高橋について「ボールの伸びとか、キレがすごかったです」と語っている。また帝京の金田監督は、「1回戦は投げ急ぐ部分がありましたが、1週間でうまく修正できています」と語る。

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駒場学園・佐藤夏月

　後半になると、駒場学園の佐藤にも疲れがみえ始める。6回裏帝京は、7番・稲垣渉、8番・鵜飼陽太、9番・高橋と下位打線の3連打で1点を追加する。

　7回裏は稲垣の三塁打などで3点を追加。なおも高橋の二塁打などで二死満塁。一打出ればコールドという場面で、駒場学園の左翼手・中谷圭汰のファインプレーでピンチを逃れる。

　8回裏も一死二塁から中谷のファインプレーでまたもチームをコールドのピンチから救った。駒場学園の木村泰雄監督は中谷について、「努力の子です」と評価する。

　中谷の好守もあって試合はコールドにならず、9回に入ったが、帝京・高橋の投球にブレはない。9回表二死後、好守が目立つ駒場学園の2番・中谷に対し、「最後は三振を狙いに行きました」という高橋の力の入った投球で、狙い通り三振に仕留め、６－０で帝京の勝利。高橋は9回を投げて投球数はちょうど100。被安打２，四死球２、奪三振８の完封という、安定した投球だった。

　敗れた駒場学園の木村監督は、「力を出して頑張りましたが、悔しいです」と語る一方で、「もっと上を目指して戦う力がついてきた」と、手応えも感じている。駒場学園はかつて、準決勝に進出したこともある。昨年にはユニホームも一新。敗戦の悔しさが、復活への起爆剤になるに違いない。

　勝った帝京は、3回戦で昨年の秋、コールドで負けた都立小山台と対戦する。「どこが相手でも新チームなので。しっかり対策して、準備したいと思います」と帝京の金田監督は語った。

（記事＝大島裕史）

1回渡邊の二塁打で戸田生還

1回二塁打を放った渡邊礼

3安打の帝京・鵜飼陽太