小松大谷vs啓新
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4~5点の攻防かと思われた試合、小松大谷が7回に啓新を振り切る
7回、代打で起用されてタイムリー打を放った小松大谷・中村君
この日から始まった、秋季北信越大会。今年は、長野県が主管県となって上田市、諏訪市、松本市の各球場で開催される。[stadium]県営上田球場[/stadium]の開幕戦は、この夏に36年ぶりの甲子園出場を果たしている小松大谷と、2019年に選抜初出場を果たしている啓新との対戦となった。
ともに、この秋の県大会は2位校として突破しての北信越大会進出である。啓新の淡いブルーがかった色のユニフォームが、信州の秋の朝陽に照らされてフレッシュに輝いて見えた。また、小松大谷の薄いグレー地に青の筆記体で「Ohtani」の文字も、鮮やかに映っていた。
啓新は背番号11でダイナミックに投げ込んでくる平井、小松大谷は背番号8の左腕岩野が先発マウンドに立った。岩野は初回、簡単に3人で抑え、平井も2者連続三振でいい立ち上がりかと思われたが、小松大谷は3番北村が左前打で出ると、暴投で二塁へ進み、続く吉田が右越え三塁打して北村をかえして先制した。
しかし、啓新もすぐに反撃して2回、4番田中が左前打で出ると、振り逃げと送球ミスもあって一死一、三塁となり、7番三枝が上手に左前へ運んで同点打。
早い継投に出る啓新の植松照智監督は、3回から、2人目として左腕の夜久を送り出した。これに対し、小松大谷打線は北村と吉田の連打で襲いかかる。さらにバントで進めると、二死二、三塁から7番花本が右前打し、やや捕球に戸惑う感に、二塁走者もかえってこの回2点を奪った。
追いかけたい啓新は、5回1番からの好打順を生かして一死満塁の好機を作った。しかし、ここは岩野が踏ん張って、1~2~3とこれしかないという投ゴロ併殺でピンチを切り抜けた。
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黒田彰太(啓新)
啓新は5回からのマウンドを、1番をつけた黒田に託すことになった。黒田は代わり端、連打を浴びたものの、その後は何とか抑えてピンチを切り抜けた。
そして小松大谷の西野貴裕監督も、7回からは岩野をセンターに下げてマウンドには1番をつけた南を送り出した。小松大谷としてはイメージしていた通りの継投と言ってもいいであろう。
黒田が0に抑えた小松大谷は7回、その裏に追加点を奪う。二死三塁という場面で代打中村が西野監督の起用に応えて左前打でかえして貴重な追加点。さらに、花本も続いて一、三塁としたところで、8番の岩野が右前打して追加点。これでもっと勢いづいた小松大谷は、南も左中間へ二塁打を放ち、さらに2点追加。この回4点が入り、思わぬ点差が開いた。
啓新も粘って、9回に久保田の二塁打で1点を返したものの、そこまでだった。
小松大谷・西野監督は、「試合前に、4点を巡る攻防だということは選手たちにも言っていました。だから、投手陣は何とか3点以内に抑えるということでした。それは、予定していた継投でやれたのでよかったと思います」と振り返っていた。
そして、「夏に甲子園から帰ってきて、あまり時間がない中で、それでも県大会でも試合をしながらチームとしてまとまっていった。夏の経験者がいい形でチームを引っ張ってくれている」というのが、現在のチーム状況のようである。
「5点くらいの失点は覚悟していた」という啓新の植松監督は、「だから、打線としてはそれ以上取らなくてはいけないんですけれど、取り切れませんでした。投手は細かく刻んでいくぞと言うことは最初から伝えていて、右左右とよく持ちこたえていたんですけれども、7回の4点はやはり痛かった」と悔やんでいた。
(取材=手束 仁)
責任の6回を1失点で投げた小松大谷・岩野君
啓新バッテリー
県営上田球場外観