駒大高vs大森学園
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21安打が飛び出す乱打戦 矢崎 蒼空の勝ち越しホームランで駒大高が2回戦へ
勝ち越しホームランを打った駒大高・矢崎 蒼空
2日の[stadium]江戸川区球場[/stadium]は、駒大高と大森学園の対戦。どちらも攻撃陣が活発で、スコアを見ても、互いの攻撃力の高さは窺い知れる事実だろう。
試合は、2回まで0点が並んだが、3回に駒大高が5番・矢崎 蒼空の死球などでチャンスを作ると、7番 ・竹田 壱茶のタイムリーなどで5点。5回にも3点を追加するなど、前半を8対3で駒大高がリードする。
ただ後半、大森学園の反撃を受け、8対6で迎えた7回に3番・山崎 祥貴のタイムリーなどで8対8の同点となる点数の取り合いとなる。
延長戦も視野に入る中で迎えた9回、駒大高は5番・矢崎 蒼空がレフトスタンドに飛び込む勝ち越しホームランを放ち、9対8。さらに1点を追加して10対8と試合を決めた。
駒大高はブロック予選でも見せた攻撃力の高さを発揮。各打者がしっかりと軸足に重心を乗せて待つことができていた。打席の中でのボールの待ち方の良さが、好調に繋がっているのだろう。
そのことについて矢崎は、「川端監督からチーム全体へ教えられていることの1つです」と一貫して軸足に重心を乗せてボールを待つことを意識していることだった。実際、矢崎であれば、「右の股関節に溜めておいて、左の踵が着地した時に、左足を壁にしつつ重心を移す」ように心がけているという。
そんな5番・矢崎は、旧チームからの経験者。夏の大会は市川 祐(関東一)からホームラン。そしてこの試合は高校通算5本目となる勝ち越しのホームランを打ったのもうなずける選手だった。
捉えてからのフォロースイングが大きく、しっかりと軸で回転することができる選手だった。追い込まれてからの対応力も高く、ただではアウトにならないバッターだ。
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ガッツポーズする大森学園・山崎 祥貴
新チームから「10点取られたら11点取れ」と川端監督はチームに向けて指示を出すほど、打撃に力を注いできた。旧チームから試合に出ていた矢崎も、もちろん打撃に磨きをかけてきた。チームメイトに試合中の動画を撮影してもらい、好不調の要因を自分なりに分析。「バットを素直に前へ出せれば打てる」とわかり、さらにレベルアップしてきた。
「次も取られたら、相手よりも取り返す野球をしたいです」とこれまで通りの野球をしたいと意気込みを語った。打ち合いから活路を見出せるか楽しみだ。
大森学園は、9回12安打8得点という打力を発揮したが、今年の中心になるのは、3番・山崎と4番・平本 治の2人だろう。
ともにどっしりとした体格で打席の佇まいだけでも、力のある打者だと言うことは見てわかる。ただ3番・山崎は手元まで近づけたボールを軸回転で飛ばしていく。レベルスイングでバットが振れていることもあり、ミートポイントが広く、6回には左中間のワンバウンドでフェンスに到達する二塁打を放ち、逆方向にも飛ばす打撃があることを見せつけた。
4番・平本は、ポイントを前に置いて打つため、タイミングがずれると突っ込み気味になってしまうものの、インパクトが強く、痛烈な打球を飛ばしている。元々持っている身体のパワーを上手くボールに伝えられており、6回のタイムリーはライトの頭上をライナーで越えていく打球を放っている。
山崎はこの夏を越えて、「1キロバットを使って体力がついたので、バットを寝かせて最短距離でバットを出しても打球が飛ぶようになった」と個人としての成長を感じていた。ただ、この試合に関しては「自分たちのミスから、チームとして束になれなかった」とペースを乱したことを反省に挙げた。
石黒監督も「一冬かけて心身ともにしっかり鍛えたい」とチーム全体のレベルアップを促す姿勢を示した。この敗戦を糧に、春には一回り大きくなった姿を見せてほしい。
(記事=田中 裕毅)
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勝利の瞬間、笑顔を見せる駒大高ナイン
初回のピンチを切り抜けた大森学園ナイン
ピンチを脱して笑顔でベンチに戻る駒大高ナイン