中央学院vs千葉敬愛
長打力アップの成果発揮の中央学院が快勝
竹谷の本塁打で盛り上がる中央学院ナイン
中央学院は春の大会を終えて、150キロ右腕・細谷怜央、140キロ中盤の速球を投げ込む飯尾嶺に頼らないチーム作りを行ってきた。課題となったのは打線。春季県大会準々決勝の千葉学芸戦に敗れてから打線が課題となり、夏の大会までの練習試合ではチーム本塁打の目標は50本。大きな数字かもしれないが、それだけ長打力アップにこだわって練習をしてきた。
今大会では物の見事に強打を発揮している。2回戦から4回戦までの3試合で、3本塁打、全てコールド勝ちと攻撃力が増した打線で投手の負担を軽減させていた。
まず1回表、核弾頭・山口諒太の中前安打、2番小田倉俊斗の安打で続き、3番片山春登の一塁内野安打で1点を先制。2回表には4安打を集中し、4点を追加し、5対0と大きくリードする。
打線の火付け役となった山口は、今大会12打数7安打の大当たり。「いかに自分の打撃で勢いをもたらすことができるか」と打って出塁。隙さえあれば、次の塁を果敢に狙う走塁も見事だ。
追加点を入れたい中央学院は、相馬監督が「バットが振れている選手」と評価する代走の竹谷将太朗がレフトスタンドへ消える2ランなどで4点を追加し、9対0とした。千葉敬愛も、4回裏、一死一、二塁から途中出場の角真一朗の適時二塁打で2点を返す。
その後は中央学院の3番手・糠谷翔大は130キロ前半の速球、切れのあるスライダーで千葉敬愛打線を抑え込み、9対2の7回コールド勝ちで勝利を決めた。4試合連続コールド勝ちを決めた中央学院。エースの細谷について相馬監督は「然るべき場面で投げさせたい」と慎重に起用方針を探っている。
ここまでの4試合は課題だった打線のレベルアップがしっかりと見えている。準々決勝以降の試合は相手のレベルが格段に上がる。次は千葉学芸を破って勢いに乗る千葉黎明。レベルが高い一戦となりそうだ。
敗れた千葉敬愛だが、遊撃手の高見澤瑛心の攻守の動きに目を惹くものがあった。安定感のあるフットワーク、捕球してから送球するまでの動作に無駄がなく、スローイングも強い。打者としても軸がブレず、インサイドアウトで的確にボールを捉えることができる。得意の守備については源田壮亮(埼玉西武)の守備動画を見ながら学んできたそうだ。今後は大学での活躍を誓った高見澤。次のステージではさらに脚光を浴びる可能性を持った選手だ。
(記事=河嶋 宗一)