習志野vs日体大柏
習志野主将「束になって」と圧勝、日体大柏は立ち上がり響く
本塁打を打った乘松唯人(習志野)
春にも対戦しており、習志野が7対2で勝利を収めている。この試合は習志野打線が本領を発揮した試合だった。
1回、一死一、三塁から4番飴谷廉広の適時打で1点を先制。その後も杉山翔太の適時二塁打から追加点を入れ、最後は2番乘松唯人の本塁打でこの下位、打者12人9得点の猛攻でセーフティーリードを作った。
2回表、日体大柏が満塁のチャンスから8番岡田凛太郎の2点適時打で9対2と7点差としたが、習志野は3回裏、一死一、二塁のチャンスから飴谷の2点三塁打で11対2。さらに4回裏にも、鈴木颯大の2点適時打で13対2と点差を広げた。
12得点をもたらしたのは周到な準備だ。本塁打を放った乘松はこう説明する。
「まず先発の河原崎(友基)くんは、長身でボールに角度があるので、どうしても目線が上がってヘッドが下がったスイングになりやすい。その点を気をつけて、スイングしようと心がけました。2番手の岡田くんはボールに力があるので、振り負けないようにしてきました」
習志野の選手たちは、インパクトまでロスなく鋭く振れる構えができている。芯で捉えた打球は次々と内野の間、外野の頭を越えて大量点をもぎとった。
投げては鈴木颯大は120キロ中盤でも伸びのある速球を武器に日体大柏打線を4安打3失点。球速は確かに物足りないものはあるが、しっかりと腕を振って、球質の良いストレート、同じ腕の振りで変化球をコントロールできているので、さらに体ができれば、もっと見栄えする投手になるのではないだろうか。
13対3の5回コールド勝ちで、習志野が2015年から続く6大会連続のベスト8入りが決まった。勝ち上がることに打線の破壊力が増している習志野。乘松主将は「1人1人が団結して、束になって相手に立ち向かう野球はできているかなと思います」と着実に強くなっていることについて手応えを感じている。それでも挑戦者の気持ちで戦うことを忘れなかった。
敗れた日体大柏の伊藤監督は「初回は大事だということは言い続けてきました。ただ意識させすぎてしまったのかもしれません。それでも選手たちはよくやってくれました」と大敗しながらもこれまで、今大会通して粘り強い戦いを見せてきた選手たちをたたえていた。
(記事=河嶋 宗一)