八重山vs名護商工
先輩に続け!八重山がコールドで初戦突破
昨年の夏、初めて頂点に立った八重山。ライバル八重山商工が優勝して14年経った、久しぶりの歓喜が島に響き渡った。輝かしい先輩たちに続けと約一年が経過するこの日、後輩たちもコールドゲームで初戦を突破した。
復活した恐怖の1番打者西表夢叶
昨年秋の県大会。八重山の西表夢叶は、3試合で5安打をマークしたが、その全てが長打。長打率は1.200、出塁率も.615と物凄い数字を残した。しかし春の県大会では13打数3安打、長打無しに終わってしまったが、このコロナ禍の中での最後の夏の初戦で3安打3長打!きちんと照準を絞ったかのような復活を見せた。
八重山は初回、2番舟道がヒットで出塁。相手のエラーなどで一・三塁とすると5番下地がライト前へ運び1点目。相手野手に再びエラーが出て一走が三塁へ。6番大城朝にセカンドへの内野安打タイムリーが出ると、相手バッテリーエラーで3点目を迎え入れた。
西表夢叶に三塁打が出た2回は無得点に終わったが、5回の先頭打者として打席に立った西表夢叶がセンターの頭上を襲う三塁打で出塁。2番舟道がタイムリーを放ち三走が生還すると、3番玉木にも三塁打が飛び出し舟道がホームイン。その後、下地のタイムリーと照屋の犠牲フライで大量4点を加える。
7回には、大城朝のタイムリー三塁打のあと、西表夢叶の二塁打を挟む4連続長短打で二桁得点で快勝した。
見事な粘りを見せた名護商工高校
敗れた名護商工だったが、失点した直後の2回、7番上地がレフト前ヒットを放ち犠打で送ると9番仲原が絶妙なバントヒットでチャンスを作るなど、八重山との力の差を埋めようとテクニックで対抗。ナインの期待に応えるように1番の仲本がライト越えの2点適時打をマーク。1点差に詰め寄る粘りを見せたのは素晴らしい。
4回には、仲本のこの日2安打目のヒットを絡めて二死満塁と、八重山・小泉を攻め立てる。4番山城吏もフルカウントからファウルで粘り続けたが、最後は八重山・小泉が渾身の内角ギリギリに入るストレートで見逃し三振と、あと一歩まで迫る頑張りだった。
二回戦は八重山ダービーに
「二日前は凄い球を放っていたのですが、やはり夏の大会となると余計な力が入るようです」と、八重山・兼島監督が感じた不要な力みがピンチを何度となく招く。それでも要所を締め3失点に抑える粘投でコールド発進。この日、別球場で同じく二桁得点で勝利した八重山商工と、二回戦で顔合わせする八重山ダービーも含め、昨夏から続く島の歓喜はまだまだ続きそうだ。
(文=當山雅通)