市立和歌山vs那賀
黄金バッテリーの活躍で市立和歌山がコールド勝ち
3回裏に2ラン本塁打を放った松川虎生(市立和歌山)
プロ注目のバッテリーを擁する市立和歌山が那賀相手に快勝した。
この試合で強烈なインパクトを残したのが4番捕手の松川虎生(3年)だ。1点リードの3回裏に二死一塁に第2打席が回ると、高めの変化球を振り抜き、打った瞬間にわかるレフトへの2ラン本塁打を放つ。
続く4回裏にも二死一塁で打席に立つと、高めのストレートを捉えて、打球は場外へ。「紀三井寺では初めて見た」と半田真一監督も驚く特大弾は公式戦初の2打席連続本塁打。これで高校通算本塁打を35本に伸ばした。
「インコース攻めが多く、インコースの速い球をかぶせる意識で打席に入っていたので、それが良い結果を生んだのかなと思います」と自らの打撃を振り返った松川。7打数4安打と活躍したセンバツの結果は自信になったそうで、より一層のレベルアップを図っている。
そして、ドラフト上位候補の小園健太(3年)は6回から登板した。「前回と同様にストレートを軸に投げていました」とキレのある速球を中心に2回を投げて、1安打、4奪三振、無失点の好投。視察に訪れたNPBスカウトのスピードガンでは最速148キロをマークした。
「身長が高い方なので、バッターのひざ下に投げ切ることによって、角度のついたストレートが投げられると思っています」とストレートの質向上に力を入れており、夏はさらに成長した姿を見せてくれそうだ。
また、この試合で市立和歌山は小園以外に3人の投手が登板したが、いずれもハイレベルだった。先発の宮本勇(2年)は制球に苦しむ場面もあったが、力のある速球を投げる本格派左腕で、この日は140キロをマーク。3回には連打を浴びて1点を失ったが、3回1失点と先発の役割を果たした。
4回には昨秋の近畿大会準決勝・智辯学園戦で好投した伊藤晃宏(3年)が登板。右下手からキレのある変化球を投げ込み、2奪三振で三者凡退と完璧なピッチングを見せた。
5回は淵本彬仁(2年)がマウンドに上がる。長身から130キロ台後半のストレートを投げ込み、こちらも2奪三振で三者凡退と相手を圧倒。ポテンシャルの高さを感じさせた。
市立和歌山の2年生には宮本、淵本に加え、センバツの2回戦で先発した最速146キロ右腕の米田天翼もいる。今年は小園に注目が集まっているが、秋以降も投手王国が形成されそうだ。
(取材=馬場 遼)