大島vs鹿児島中央
変化球で投球の幅広がる・大島・大野
大野 稼頭央(大島)
初回、2回と得点機を生かせなかった鹿児島大島だったが3回、二死二塁で4番・田尾 樹珠紀(3年)のセンター前タイムリーで先制した。
4回は二死二三塁から相手のエラーで2点を追加。
6回には2番・川原 海弥(3年)、3番・福 康輝(3年)の連続タイムリーで突き放した。
先発した左腕エース大野 稼頭央(2年)は球威のある直球と変化球のコンビネーションが冴え、15奪三振、被安打2の力投で三塁を踏ませなかった。
鹿児島大島の2年生左腕エース・大野が三塁を踏ませない力投で勝利に貢献した。春先特有の肌寒さの中「緊張したけれども、序盤を抑えたことで余裕ができ、思い切り投げられた」と力強く振り返った。
持ち味の直球は最速138キロを記録し、終盤まで常速130台の球威が落ちず、一冬越えて「質が上がった」のを確信できた。加えて「変化球を覚えたことで、バッテリーの安定感が更に高まった」(塗木 哲哉監督)。ストライクを稼ぐカーブ、空振りをとるスライダーなどを自在に使い分けて的を絞らせず、15奪三振、被安打2と付け入るスキを与えなかった。
試合中「悪いつながりを作らない修正力がついてきた」とも塗木監督は言う。6回、初球の死球で初めて先頭打者を出したが「バントをさせて二塁で一つ目のアウトをとる」と次のテーマに切り替え、球威のある直球を続け3バント失敗を誘った。
終盤はボールが続いたり、四球を出す場面もあったが、捕手・安田 秀太郎主将(3年)がタイムをかけてうまく間合いを取った。直球が高めに浮いたら低めの変化球、変化球が決まらなかったら強気の直球…その時々で「一番腕の振れるボール」を巧みに要求した主将のアシストも光った。
今大会の目標は「一戦一戦勝ち上がって、九州大会出場」。目標達成に向けて好スタートが切れた。
(文=政 純一郎)