智辯学園vs平城
前川、小畠らの活躍で智辯学園が5回コールド勝ち
1回裏に同点の適時三塁打を放った前川右京(智辯学園)
智辯学園の先発は背番号10の小畠一心(2年)。公式戦登板は昨年11月2日の近畿大会準決勝・大阪桐蔭戦以来ということもあり、「構えてしまった部分があった」と初回に1番・碇谷優季(2年)に二塁打を浴びると、一死三塁から3番・福永晃志(2年)の三塁ゴロの間に先制点を許してしまう。
その中で悪い流れを断ち切ったのは4番の前川右京(2年)だった。二死一塁から中堅手の頭上を越える適時三塁打を放ち、すぐさま同点に追いついた。
小畠も2回以降は立ち直り、「思っていたようにボールを動かせたと思っています」と安定した投球を見せ、4回までの3イニングをパーフェクトピッチング。1年生から公式戦を経験している二人がチームに流れを呼び込んだ。
打線は2回まで平城の先発・寺山継介(2年)の緩急を使った投球に苦戦していたが、3回裏に無死から7連打の猛攻を見せ、6点を勝ち越す。4回裏にも5安打で4点を加え、リードを10点に広げた。
5回表でキッチリと締めたいところではあったが、この回からマウンドに上がった藤本竣介(1年)が二死一、二塁から9番・中谷亮博(2年)に二塁手の頭上をわずかに越える適時打を浴び、この回でゲームを終えることはできなかった。
それでもその裏、制球に苦しむ2番手の福永から一死満塁のチャンスを作ると、3番・植垣洸(2年)が押し出しの四球を選んで、コールドゲームが成立。序盤こそ苦戦したが、終わってみれば名門が力の差を見せつける格好となった。
「力はあると思いますけど、チームとしてはまだまだだと思います」と現在のチーム状態を語る小坂将商監督。夏の独自大会を3年生だけで戦ったこともあり、一部選手以外の経験不足が否めないのが現状だ。そんな中でも昨年から公式戦を経験している前川、小畠にエースの西村王雅(2年)、主将の山下陽輔(2年)と核になる選手の存在は心強い。
3打数3安打2打点の活躍を見せた前川は新チームから副主将を務めている。「自分が積極的に声をかけて、プレーでも引っ張るように心がけています」と主力としての自覚は十分だ。ここからチームの成熟度を上げて、2年連続の近畿大会出場を目指す。
(記事=馬場 遼)