清林館vs美和
攻守にいいまとまりを示して清林館が7回コールド勝ち
ピンチで対策を練る清林館選手たち
尾張地区のブロックは、組み合わせの都合で一部ベスト8を賭けて名古屋市地区の相手と対戦することになるが、そのゾーンの3回戦。美和は小牧南、佐織工を下して勝ち上がってきた。清林館は初戦で丹羽に勝っての進出である。
清林館は2回、4番の藤島君が一二塁間を破る安打で出ると、バントで進め、吉田君の右前打で帰すという手堅いソツのなさを示して先制。さらに二死一二塁から9番小林君が右中間にポトリと落として、これが二塁打となって2点目。なおも二三塁で竹本君が左前へ2点タイムリー打。早いタイミングで、いい形での4点先取となった。
さらに4回にも清林館は先頭の小林君が左前打して二盗後に山川君が左前打でつなぐ。その後は、スクイズ野選と、5番伊藤魁真君のタイムリーでさらに2点を追加。
反撃する美和は5回に一死二三塁から1番佐古君の中犠飛で1点を返す。なおもチャンスが続きかかったが、清林館の石丸君は落ち着いており、後続をしっかりと打たせて取っていっていた。
その裏、清林館は一死から川部君と当っている小林君の連打で一二塁として、1番竹本君が左中間を破る二塁打を放ち2者を帰して突き放す。
6回から美和の林拓真監督は高本君を外野に下げて2番手として吉田翔瑛君をマウンドに送り出す。吉田君は、いかにも投げるのが嬉しそうな表情でマウンドに立っていた。しかし、清林館はその吉田君にも藤島君の二塁打などで襲い掛かり、さらに2点を追加。10点目が入った。
このリードを清林館は石丸君から鷲見君へつないでキープし続けて逃げ切った。
清林館は学校法人平山学園の津島女子が、2001(平成13)年に共学校となり、現校名となった。2年前には校舎を愛西市に移転している。それまでは、校庭と呼べるものすらなかった状況だったというが、この時にやっと校庭が出来たということだ。それでも、他の部活道との関係もあり、とてもじゃないが専用球場というわけにはいかないようだ。それでも、通常練習としては火曜、水曜、木曜は16時から津島市営球場を借りて練習している。いわば、[stadium]津島球場[/stadium]を準本拠地のような形で使用出来ていることは、練習環境としては何とか整ってきていると言えそうだ。
学校としては、特別にスポーツ推薦枠や特待生制度があるというものではない。そうした中で、就任以来16年目で創成期からチーム作りをしてきた伊藤英世監督は、「ある程度は度分の思いでチーム作りは出来ている」ということで、着実に積み上げてきたという形でチームも整えられてきたようだ。
この日の試合に関しては、「いい感じの点の入り方でしたし、石丸と、鷲見の予定していた投手もきちんと投げてくれた」と、会心の試合展開だったという感触のようだった。現在3年生が15人、2年生10人、今年の1年生は16人が入って来てくれたということである。尾張勢としては、近年躍進してきている誉や愛知黎明、大成などを追いかけたいところであろう。
(取材=手束 仁)