高知vs中村
オール3年生の高知・潜在能力発揮し中村を抑える!
2本の三塁打を放った高知の3番右翼手・中越 逸斗(3年)
「(2017年センバツ21世紀枠出場以来の)甲子園を狙える年代だった」と試合後、横山 真哉監督がしみじみと振り返ったように、中村の4回までの奮闘は見事だった。特にアンダーハンド・渡邊 裕貴弥(3年・177センチ66キロ・右投右打)と二塁送球2秒を切るリードオフマン・宗崎 央汰(3年・176センチ71キロ・右投右打)が組むバッテリーは小学校5年から四万十市立中村中・中村と7年半組んできた竹馬の友らしい「阿吽の呼吸」に満ちたものだった。
しかし、今大会はあえて3年生全員で闘うことを決意した高知も「粘り強く戦って後半に勝負をかける」濵口 佳久監督の指示を守り、打線はカウントを整えて対抗し5回表からは集中打で3イニングで8得点。そしてこちらもバッテリーが素晴らしい出来を示した。
社会人野球への希望を持つ背番号「1」・安岡 拳児(180センチ81キロ・右投右打・室戸市立室戸中出身)が「球速こそ自己最速に8キロ足りない最速133キロながら「指にかかっていた」と本人も認める通りキレのあるボールを低めに集めると、正捕手の引退に伴い「5番・捕手」に抜擢された島﨑 亮次(捕手・173センチ73キロ・右投左打・高知市立愛宕中)も正確なキャッチングと二塁送球2秒0台の肩で呼応。4回無死二・三塁のピンチを三者三振で切り抜けると、6回3分2で81球・4安打7奪三振無失点とまったく危なげなき内容だった。
そして3年生たちが口をそろえて目指す目標は「大会優勝」。今大会は選手登録を外れスタンドから先輩たちを見つめる豪腕・森木 大智(2年)をはじめとする下級生たちに進むべき道を示すためにも「オール3年生・高知」は自らの潜在能力を最大限発揮する。
(取材=寺下 友徳)