中央学院vs東葉
走塁でも東葉を攻め立てて、中央学院がコールド勝ち
好投を見せた飯尾嶺(中央学院)
昨秋の千葉県王者・中央学院。関東大会では初戦で敗れ、春の県大会では専大松戸。そして夏は市立船橋に敗れ、上位進出を逃してきた。だが、この試合で見せた攻守のバランスを見れば、実力は県内上位と確信できた。
打線を見ていくと、1番・青木優吾、2番・松山大悟、3番・加藤公翔。さらに4番・山本健太と旧チームから多くの経験を積んできた選手が上位を占める。上位陣で速攻を決めて点数を取っていくのが今年の攻め方なのだろうと思えた。
初回に4番・山本のタイムリーで1対0とリードしている中、3回に先頭の1番・青木がライト前で出塁。さらに2番・松山、3番・加藤の連続ヒットで1点を掴んだ辺りは、1つ形となっていた。
さらにその後、打線は繋がり3回は打者19人の猛攻。一挙に15得点を奪い勝負を決めた中央学院。4回にも2点を奪い18対0で快勝してベスト8進出を決めた。
5回で16安打18得点の強力打線を発揮した中央学院。しかし、隙を逃さぬ走塁も見落とせない。
3回の攻撃、3対0とリードを広げている中で、無死満塁で6番・小田倉優斗の打球は左中間へのライナー。これはヒットとはならなかったが、飛距離は十分。タッチアップでランナーが生還して追加点を奪った。同時に二塁ランナーも三塁を陥れた。
ここまではよく見る光景かもしれないが、一塁ランナーも二塁にタッチアップして、一死二、三塁のシチュエーションを作ったのだ。
この場合、一塁ランナーはハーフウェーをとって、落球した場合に備えるのがよくあるパターン。しかし、打球の深さや捕球態勢をみて走ったのだろう。中央学院は足を使った攻撃を仕掛けるイメージが強いが、その象徴とも思える攻撃だった。
また各打者がしっかりバットを振り切っていたことで、内野の頭を超えることも多々見られた。中途半端なボールでは、中央学院の強力打線を抑えるのは至難の業になりそうだ。
守備の方では、先発・飯尾嶺と細谷怜央の2人による完封リレー。東葉を5回までで4安打にシャットアウト。ここにエース・近藤直弘がいることを考えると、投手陣は万全のように思われる。
次なる相手は関東屈指の投手陣を誇る木更津総合。そう簡単に点数が奪える相手ではない分、今度は投手陣の活躍が鍵になりそうだ。
(記事=田中 裕毅)