明大中野vs都立日比谷
明大中野 長い夏の練習の成果で猛打爆発の6回コールド
明大中野先発・多賀堂真伍
この夏明大中野は、都立大島の好投手・荒田奏斗に抑えられ、初戦で敗退した。「初戦で負けたので、(新チームは)夏休みの練習を長くできました。夏の反省を踏まえ、走塁を重視するようにしました」と、明大中野の岡本良雄監督は語る。
やはり夏は初戦で敗れた都立日比谷は、3年生が抜けると投手がいなくなった。外野手だった尾島心がエースになったが、投手経験は2か月ほどしかない。実力的には明大中野が上回っているのは確か。それだけに、「名前負けしないように、積極的に振りに行きました」と、都立日比谷の杉山彰英監督は語る。
その言葉通り、都立日比谷打線は明大中野の先発・多賀堂真伍の球を打ちに行ったため、1回表の攻撃は、わずか3球で三者凡退になった。
1回裏明大中野は、2つの四球に盗塁、暴投などで二死一、三塁とし、5番・内田昂希の中前安打でまず1点。続く6番・佐藤光、7番・池田健人の連続二塁打でさらに3点を追加した。
2回裏も明大中野は、二死二塁から2番・八幡優介の右前安打で1点を追加。さらに3番・染谷駿斗のセンターオーバーの二塁打で一塁走者の八幡は、一気に本塁を突いたが、都立日比谷の見事な中継プレーで憤死した。その一方でやや暴走気味であったが、「狙えるところは行けと言っています。走らせて、相手のミスを誘うということです」と、明大中野の岡本監督は言う。積極的走塁が、この秋の明大中野の特徴のようだ。
明大中野は3回裏も5番・内田と8番・多賀谷の二塁打で1点を追加した。
都立日比谷はスリークォーター気味のフォームからテンポよくストライクを投げる明大中野の多賀谷を積極的に打ちに行ったが抑えられ、3回まで、わずか17球で、1人の走者も出していなかった。
それでも4回表都立日比谷は3番・三谷尚慶が内野安打を放ち、初の走者となると二盗も決めた。得点にはならなかったが、積極的なスタイルは貫いた。6回表には8番・渡邉悠策が左中間を破る二塁打を放っている。
しかし明大中野は攻撃の手を緩めず、5回裏は安打2本と四球で二死満塁とし、1番・福嶋耕の右前安打で2人が還る。さらに6回裏は、3番・染谷、4番・金野慎ノ介、5番・内田と二塁打を3本連ね2点を入れて10-0。6回コールドが成立した。
結果は大敗であったが、都立日比谷は現段階での力は出したのではないか。進学校ではあるが、3年生も基本的には夏まで活動を続けるという。強い相手と戦った経験を、いい財産にしてほしい。
都大会に進む明大中野は、夏の悔しさ、そして早く負けたため生じた長い練習期間の成果で、チーム力は上がっている。夏の大会は本格的な夏が来る前に敗れただけに、秋季大会は、秋が深まるまで勝ち続けたいところだ。
(文=大島 裕史)