三浦学苑vs立花学園
三浦学苑・長谷川翔が勢いに乗る立花学園打線を翻弄!完封勝利でベスト4へ!
完封勝利の長谷川翔(三浦学苑)
準々決勝第1試合は、立花学園vs三浦学苑の一戦。両校は30代の若手指揮官が指揮を執っていることに特徴がある。
毎年上位争いに食い込む立花学園。かつて日体荏原(現・日体大荏原)で助監督を務めた志賀正啓監督が2017年春に就任してから、毎年、夏のシード権を獲得するチームへ成長。志賀監督が就任してからは、SNSを活用したチーム運営。またトラッキングシステムの1つである投球計測器・「ラプソード」を導入し、数値を用いながら、着実にチーム力をつけてきた。
一方、三浦学苑も日大藤沢出身の樫平剛監督のもとで、着実に力をつけて、この夏もベスト32入り。何度も大差で敗れてきた横浜にも1対3で善戦を演じ、強豪校に対抗する実力をつけてきた。この秋は母校・日大藤沢、平塚学園を破るなど、55年ぶりのベスト8進出している。
試合は1点を争う試合展開に。まず先制したのは三浦学苑。1回表、一死二塁から3番・本多草太の右横線を抜ける適時打で1点を先制。さらに4回表には9番・立川太一の適時打で2点目を入れる。9回表にも1点を追加した。
投げてはエースの長谷川翔が好投を見せた。長身から振り下ろす直球は常時120キロ後半~132キロを計測。スピードは平均的だが、胸を張って大きく振り下ろすフォームなので、角度のあるストレートを投げることができる。立花学園打線はこのストレートに対応ができず、差し込まれる当たりも多い。ストレートと同じ腕の振りから投げ込む120キロ近いスライダー、縦スライダー、100キロ前後のカーブを織り交ぜ、6回まで完全試合に抑える好投を見せた。
長谷川は最後まで球威が衰えることなく、8回でも常時130キロ台を計測。緩急を交えたピッチングで立花学園打線を三塁も踏ませない5安打完封勝利で55年ぶりのベスト4進出を決めた。
これまでにいるような突出した実力を持つタレントはいないが、攻守でまとまりもある。関東大会出場まであと1勝。桐光学園に勝利して、初の関東大会出場をつかむ。
(文=河嶋 宗一)