試合レポート

相洋vs横浜商大高

2019.09.21

吉川、本田の継投リレーで相洋がベスト4進出!!

相洋vs横浜商大高 | 高校野球ドットコム
本田眞也(相洋)

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 秋季神奈川県大会もいよいよ準々決勝を迎えた。
[stadium]サーティーフォー保土ヶ谷球場[/stadium]で行われた第一試合。相洋vs横浜商大高は両チームともに打線の良さを武器にここまで勝ち上がってきている。その中で、軸となるのが横浜商大高1番バッターの平綿来輝。そして相洋1番バッターの鈴木心晴の両バッターの注目される。

 相洋の先発マウンドには、背番号11を付けた左腕・吉川宗吾があがった。背番号1を付けたエース右腕・本田眞也はレフトでのスタメンとなり、要所を見計らって登板すると思われる。

 その吉田は初回にカウント作りには苦しむも2三振を奪う最高の滑り出し。打者の両サイドにストレート、スライダーを投げ込みながら打ち取っていく。左腕の出所に癖があり、ギリギリまで見えず突如として腕が見えてくる。特に左打者はストレートに詰まる場面が多くみられ打ちにくいのは間違いないだろう。

 一方、横浜商大高先発のエース右腕・黒田剣伸も3者凡退の立ち上がり。予選会の横浜翠嵐戦では、初回に四球を連発する立ち上がり。見事に秋季県大会で修正してきた辺りは能力の高さを感じる。3球で追い込むケースがほとんどであり、落とす球も有効に使いながらホームベースの幅と奥行きを感じさせる投球内容。

 試合は3回に動く。横浜商大高の9番・富山が右中間を破るスリーベースを放ちチャンスメイク。1番・平綿は凡退するも2番・帶川がスクイズを決めて先制を果たす。その直後3回裏の相洋の攻撃。四球を足掛かりにチャンスを作ると、2番・上野の併殺崩れの間に同点へと追いつく。


 両者譲らぬ投球が続く中、先に動いたのは相洋ベンチ。ここまで好投をしていた吉川をレフトに下げ、エース右腕・本田をマウンドに送る。しかし横浜商大高は先頭をエラーで出塁させるなど一死、二塁。ここで7番・石川の打球はファーストへ転がるも、打球が股の下を抜け二塁走者が生還し、勝ち越しに成功し盛り上がる。

 しかし相洋もまだまだ食い下がる。6回、先頭の上野が四球で出塁すると、一死、二塁のチャンスを演出。このチャンスに4番の加藤がレフト線を破る同点タイムリーツーベースヒット。その後二死、二塁となるも6番・吉川がセンターに打球を弾き返す。センターの平田が好返球を見せるも間一髪セーフ判定でこの試合通じて相洋が初めてリードを奪う。結果的にこの1点が決勝点となり、相洋が投手戦を制し6対2で横浜商大高を下した。

 5回まではまさに投手戦を演じていた両校。整備明けの6回に決着がついた形となった。
 横浜商大高の先発黒田は6回の投球に変化が現れる。今まで、ボール先攻の投球になることはまずなかった。しかし、先頭に四球を与えスライダーも抜けることが目立ち始めたので、もしやと思い始めた矢先に試合が決まってしまった。試合を通して送球エラーが多く、守備にはテコ入れが必要だと感じる試合内容。

 致命的な場面として、6回裏の無死、一塁で迎えた國井の打球処理が挙げられる。なんてことないファーストゴロを二塁へ送球し、ショートが一塁へ併殺を完成させようとさせたところで悪送球。ここで、併殺が取れていれば試合結果も変わったかもしれない。打線に関しては申し分なく振れている、守備の大事さを理解し取り組んでいければ神奈川を脅かすチームになる。

 勝利した相洋は、序盤中盤に食いついていき粘り勝ちした。先発した吉川とリリーフ登板の本田は右左ダブルエースとして地位を確立させる働き。お互いにバッティングも良く、フィールドに残しておけるので使い勝手が良いと感じる。今夏を経験し、3番を担っていた鈴木が1番を務めチームを勢いに乗らせるバッティング。タイミングの取り方や打球の角度の付き方も問題ない。レベルの高い外野手として今後も注目したい。

(文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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