足立学園vs東京都市大等々力
背番号11の市來が好投！足立学園がコールドで代表決定戦に進出
好投を見せた市來星也（足立学園）
夏の選手権大会は4回戦で都立小山台に敗れた足立学園。大会のベンチ入り選手が4名残る中でスタートした新チームだったが、実は部員が2年生6名、1名28名と学年で部員数に差のある構成になっている。
塚本達也監督は、夏休み中の練習試合では1年生を積極的にゲームで試してきたことを明かすが、東京都市大等々力とのこの試合では経験のある2年生も地力の高さを十分に見せた。
まずは2回裏、足立学園は一死二塁のチャンスから6番・稲田のタイムリーツーベースで先制点を挙げると、さらに二死三塁の場面で相手野手にミスも出てさらに1点を追加。
足立学園が2点を先制し、まずは試合の流れを掴んだ。
先発マウンドに立ったのは、背番号11の市來星也。夏の選手権大会でも背番号11でベンチ入りしてマウンドも経験した1年生の投手であるが、この試合でも安定感抜群の落ち着いた投球を見せる。
腕の位置はサイドに近いスリークウォーターで、まだ驚くような球威がある投手ではないが、しっかりと指にかかった時のボールには力があり非常にテンポの良い投球を見せる。「調子は普通だった」と話す市來だが、序盤から危ない場面も見せることなくスコアボードに「0」並べていった。
4安打を放った3番の乾北斗（足立学園）
そしてそんな市來の好投を追い風に、2回以降なかなか得点を奪えなかった打線も後半に勢いを取り戻す。
6回裏、一死二、三塁の9番・小倉慧士のセンター前タイムリーで1点を追加すると、その後相手のエラーや3番・乾北斗のレフト前タイムリーでさらに追加点。7回と8回にも1点を追加した足立学園は、点差を7点に広げてコールドが成立。8回コールドの7対0で、東京都市大等々力を破った。
試合後、塚本監督は好投を見せた市來を称え、またチーム全体にもさらに勢いを持って戦って欲しいと笑顔で語った。
「市來は夏の終わりの方に調子で良かったので今日投げさせたのですが、思っていた以上の投球を見せてくれました。
またチームとしても、今まで一番試合運びは良かったと思います。今日は2年生の活躍も大きかった思います」
次の試合は、夏の西東京大会を制した國學院久我山と対戦する。若い力が甲子園出場校にどこまで通用するのか注目だ。
一方、敗れた東京都市大等々力は、奥村、廣瀬、川西と3人の投手が粘りの投球を続けていたが、後半に相手に押し切られる形となった。打線のレベルアップを図り、まずは春の躍進を目指したい。
（取材＝栗崎 祐太朗）
